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アレックス・タバロック「グーグル都市」

[Alex Tabarrok, “Google City!,” Marginal Revolution, September 21, 2017]

Amazonは新しい本社を建てる都市を探してるそうだ.ちっちゃいねぇ.グーグルは都市をつくろうとしてる.『フィナンシャル・タイムズ』の記事から:
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アレックス・タバロック「貴重な体液を輸入するカナダ」

[Alex Tabarrok, “Canada Imports Precious Bodily Fluids,” Marginal Revolution, September 14, 2017]

2004年に,カナダでは精子を提供した人に対価を支払うのが禁止され,ぼくが2003年に予想していたとおりにものすごい不足につながった(ぼくのポスト「カナダの一大精子不足」(英文)を参照).カナダ人のピーター・ジャロウスキーが最新事情の記事を書いている(なんとも妙なことに掲載誌は USA Today だ):
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アレックス・タバロック「理系科目の男女差はみんなが思ってるようなのじゃないよ」

[Alex Tabarrok, “The Gender Gap in STEM is NOT What You Think,” Marginal Revolution, September 12, 2017]

NBER の新しい論文 (pdf) で David Card と Abigail Payne が STEM〔科学・技術・工学・数学〕の男女差についておどろきの新しい説明を提示している.通説だと,そうした男女差は女性に関わることであり,いろんな力がはたらいて――〔全般的な〕差別,性差別,適性,選択…お好みの要因をどうぞ――女性が STEM 分野で勉強しにくくなっているのだと考える.Card と Payne が言うには,男女差のかなりの部分は男性たちと彼らの問題に関わるものだ.少なくとも,彼らが出している研究結果をぼくはそう解釈してるけど,どうも著者たちはじぶんたちが出した研究結果がどう通説と衝突するのかはっきり言っていないように思える.(ぼくが論文を誤読しちゃってるから? どうかな.)
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アレックス・タバロック「テスラの《破損品》問題:価格差別の一例」

[Alex Tabarrok, “Tesla’s Damaged Goods Problem,” Marginal Revolution, September 10, 2017]

TechCrunch: テスラはフロリダの同社車両の一部にソフトウェア・アップデートを配信した.このアップデートで,対象車両はほんのちょおぉぉぉ~っとばかり航続距離を伸ばせる.これで,オーナーはハリケーン《イルマ》による災害現場からずっと遠くまで避難できるようになるって寸法だ.

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アレックス・タバロック「ヒューストンの洪水,用途地域制度,開発」

[Alex Tabarrok, “Houston Flooding and Zoning and Development,” Marginal Revolution, September 1, 2017]

ヒューストンの洪水を引き起こした原因について,あれこれと戯言が書かれている.反移民派の人たちは,移民がわるいと非難している.反開発派の人たちは開発がわるいと非難している.反トランプ派の人たちは共和党がわるいと非難している.

でも,事実を言えば,都市が建設されていらい,ヒューストンはずっと洪水にあってきた.さらに言うと,〔2005年に大災害を起こしたハリケーンの〕カトリーナとちがって洪水対策システムは大半が想定どおりに機能した――たとえばあふれかえる水をハイウェイに逃がしたのもその一例だ.問題は,とにかく水が多すぎたという点にある.

Phil Magness が秀逸な記事を書いて詳細を記してくれている.以下は Magness による文章だ.〔引用だが〕インデントはつけない.
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アレックス・タバロック 「朝鮮半島を二分する境界線にて」(2012年10月14日)

●Alex Tabarrok, “A Brief Visit to North Korea”(Marginal Revolution, October 14, 2012)


北朝鮮側にいるコーエン(左)に韓国側にいる私(右)。

北朝鮮側にいる私(左)に韓国側にいるコーエン(右)1

二人ともちょっと緊張しているように見えるとすればそれもそのはずだ。写真を撮影した現場(韓国と北朝鮮を分かつ軍事境界線上にある板門店)は緊張感に包まれていたのだ。それもいつにもまして。というのも、我々二人がこの地を訪れた数日前に北朝鮮側の兵士が勤務中に上官2名を射殺して(軍事境界線を越えて)韓国側に亡命するという事件が起きたばかりだったのだ。(2012年時点の)北朝鮮は例年よりも過酷な食糧不足に見舞われているようだが、そのことも現地の緊張感を高める一因となっていたことは間違いない。

ところで、今回実際に訪れてみてはじめて知ったのだが、韓国国内を走る高速道路の一つから北朝鮮の風景を目視することができる。土がむき出しになっている裸の土地が目に入る。薪として使うためにあるいは樹皮から得られるほんの少しの栄養分を摂取するために木々が伐採され尽くしてしまっているのだ。

最後の一枚だ。北朝鮮側の見張りがこちらを監視しながら我々二人の姿を写真に収めている。記録として残すためだろう。

  1. 訳注;ちなみに、コーエンがコメント欄で次のようにコメントしている。「一枚目の写真に写っている(北朝鮮側にいる)私と二枚目の写真に写っている(韓国側にいる)私を比べたらどちらかと言えば二枚目の方が幸せそうな見た目をしていることに読者も気付かれることだろう」。 []

アレックス・タバロック 「社会実験の帰結」(2004年10月21日)/タイラー・コーエン 「どっちのコリア?」(2004年9月29日)

●Alex Tabarrok, “A social experiment”(Marginal Revolution, October 21, 2004)


地球の外にいる異星人たちにも共産主義の効果は一目瞭然だ1

不気味な雰囲気に包まれた「柳京ホテル」のことも忘れずにおさえておきたいところだ。初期の建設費用だけでも対GDP比で2%にも及ぶとされる平壌(ピョンヤン)にある超高層ホテル、それが柳京ホテルだ。とは言っても、品質面での構造的な問題もあって未だ建設途上のもぬけの殻(廃墟)にとどまっている。北朝鮮当局は地図からその存在を抹消したりもしたようだが、世界で7番目に高い建物を隠し通そうなんて無理な話に決まっているのだ。

一枚目の画像はMahalanaboisから拝借したものであり、柳京ホテルの話題を取り上げてはどうかとアドバイスしてくれたのはTed Frankだ。両名に感謝。

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●Tyler Cowen, “What’s in a Name?”(Marginal Revolution, September 29, 2004)


かつてこんなことがありました。私がケンブリッジ大学で学んでいた時に教えを受けた恩師の一人でもあるジョーン・ロビンソン女史はラディカルな(左派の)経済学者として知られていました。一方で、グスタフ・ラニスはイェール大学に籍を置く教授で「新自由主義的」(‘neo-liberal’)な立場の経済学者として知られていました。そんな二人が意見を交わす機会があったのですが、その際に「コリアは大成功を収めている」と二人の間で意見が合致したのです。

何ともパラドキシカルな展開ですが、その謎もすぐに解けました。ロビンソン女史は北朝鮮(North Korea)のことを思い浮かべていた一方で、ラニスは韓国(South Korea)のことを思い浮かべていたというわけです。

ジャグディーシュ・バグワティー(Jagdish Bhagwati)――ノーベル経済学賞の候補の一人に名を連ねて当然と個人的に思う人物――がこちらのインタビュー2の中で上のように語っている(www.politicaltheory.info経由で知ったもの)。

  1. 訳注;以下の画像は夜間の朝鮮半島の様子を写した衛星画像。人工衛星によって観測された夜間光量のデータを用いて各国の実体経済の動向を把握しようと試みた研究としては例えば次の論文を参照されたい。 ●J. Vernon Henderson, Adam Storeygard and David N. Weil, “Measuring Economic Growth from Outer Space“(American Economic Review, vol. 102(2), April 2012, pp. 994-1028) []
  2. 訳注;リンク切れ []

アレックス・タバロック 「『覆面経済学者の逆襲』、『アメリカにおける財産の歴史』、『コマンド&コントロール』 ~お気に入りの3冊~」(2013年12月22日)

●Alex Tabarrok, “A Few Favorite Books from 2013”(Marginal Revolution, December 22, 2013)


トム・ジャクソンが(Sandusky Registerに寄稿する予定の)今年最後のコラムで2013年中に出版された優れた書籍を紹介する予定らしく、何冊か心当たりはないかとコメントを求められた。私はコーエンほど多読ではない。そういうわけでいくらか範囲と数を絞ってピックアップさせてもらうとしよう。2013年中に読んだ社会科学の分野の本の中から個人的なお気に入りを選ぶと以下のようになるだろう。

ティム・ハーフォード(Tim Harford)と言えば物語の語り部(ストーリテラー)としての天賦の才と複雑なアイデアをわかりやすく噛み砕いて説明する才能に恵まれている人物だが、そんな彼が持ち前の才能を携えてマクロ経済学の世界に足を踏み入れているのが今年(2013年に)出版された『Undercover Economist Strikes Back』(「覆面経済学者の逆襲」)である。経済学の分野の(世間一般の人々に向けて経済学の概念をわかりやすく解説することを狙いとした)ポピュラー書ではミクロ経済学の話題――市場やインセンティブ、個別の経済主体(消費者や企業)による意思決定などなど――に焦点が合わせられていることが多い。『ランチタイムの経済学』然り、『ヤバい経済学』然り、『予想どおりに不合理』然り。ハーフォードの旧作である『まっとうな経済学』にしてもそうだ。しかしながら、本作では従来のポピュラー書とは一味違ってずっと珍しい「獣」に狙いが定められている。インフレーションや失業、経済成長、経済危機といったマクロ経済現象を世間一般の人々向けに噛み砕いて解説するガイドブックを作成しようと意気込まれており、その狙いはものの見事に実を結んでいる。経済理論や経済政策についての冴え渡る説明が盛り込まれているだけではなく、刺激的な人生を過ごした経済学者の面々(かつてはそういう経済学者がいくらかはいたのだ!)の魅力溢れるエピソード(物語)が合間合間に挿入されている。その結果として『Undercover Economist Strikes Back』は啓発的な一冊であると同時に非常に愉快な読み物ともなっているのだ。 [Read more…]

アレックス・タバロック 「事実は小説よりも奇なり ~行方不明の核爆弾~」(2004年10月2日、10月3日)

●Alex Tabarrok, “Truth is Stranger than Fiction Department”(Marginal Revolution, October 2, 2004)


1958年のことだ。核爆弾の一つ――その威力は広島に投下された原爆の100倍以上に及ぶ――がジョージア州の海岸付近で行方不明になってしまった。空軍の飛行訓練中に爆撃機から誤って落下してしまったのである。何たることか! しかしながら、話はこれだけで終わらない。落下後間もなくして熱心な捜索活動が始められたが、数週間探しても見つからずに捜索活動も取り止められようかとしていたまさにそのタイミングで再び別の爆弾が誤って爆撃機から落下してしまったのである。今度の落下場所はサウスカロライナ州のフローレンス市近辺。落下したのは同じく核爆弾だったが、幸いなことにその爆弾には核分裂性核種が搭載されておらず、そのおかげで落下時に核爆発が起こることはなかった。しかしながら、落下の衝撃で通常の爆薬が爆発し、地表に大きなクレーターができただけではなく近くに住む農民も数名が怪我を負うことになってしまった。ジョージア州の海岸付近で行方不明になった核爆弾だが、もしかしたら見つかったかもしれないとの情報がつい最近になって飛び込んできた。民間で放射線の専門家として働いている人物が核爆弾が落ちたとされる近辺で放射線量を測定していたところ、通常の放射線量の3000倍にあたる放射線を放つ地点を探り当てたらしいのだ1

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●Alex Tabarrok, “More Lost Nukes”(Marginal Revolution, October 3, 2004)


「行方不明の核爆弾」ネタの続きだ。ジェラルド・ハナーが次のようなコメントを書いて寄こしてくれた。

サウスカロライナ州での核兵器落下事故と関係のある人物の一人とペアになって飛行機を操縦したことがあります。その人物から聞いた話によると、B-47爆撃機でイギリスにある前方展開基地に向かっている最中の出来事だったそうです。離陸後にわかったそうですが、兵器(こちらの世界では誰も「爆弾」とは呼びません)が発射装置にちゃんと固定されておらず、飛行中に何らかの緊急事態が起きたらすぐにも発射されかねない状態にあったそうです。兵器には「ピット」が搭載されていなかったので万一落下したとしても核爆発が起きる可能性はありませんでした。兵器を安全ピンで発射装置にきちんと固定するために離陸が安全に済んだ後に副操縦士が爆弾倉に向かったそうですが、安全ピンが差し入れ口にうまく嵌らなかったそうです。離陸した基地に連絡してどうしたものかと相談していると、基地にいる誰かが発射装置を少し揺らせば嵌るんじゃないかとアドバイスしたそうです。副操縦士はそのアドバイスに従いました。その直後に基地には次のような声が届いたそうです。「しまった! 落としちまったい!」 兵器は発射装置から解き放たれて爆弾倉のドアを突き破って落下していったそうです。落ちていったヤツは当時のレベルでは重量級に括られる兵器だったそうです。残りの話は御存知の通りです。

デイヴ・ウォーカーは自分のブログでノースカロライナ州で行方不明になった(そして今でも行方不明のままの)核爆弾のエピソードを紹介している。

その事件が起きたのは1961年1月24日の深夜0時を過ぎた直後のことだ。ノースカロライナ州のファロ村の近くを飛行中のB-52G爆撃機(ストラトフォートレス)が右翼の故障が原因で空中分解したのである。機体には2発の水素爆弾(マーク39)が搭載されていた。

B-52G爆撃機の空中分解に伴って2発の核爆弾も地表に落下。そのうちの一発は途中で落下傘が開いたために地表に衝突した時の衝撃が大いに和らげられることになった。残りの一発はぬかるんだ土地めがけて真っ逆さまに落ち、地表に衝突した時の衝撃で一部が損壊した。残骸の一部はぬかるみの奥深くに沈み込み、未だ見つかっていない。見つかっていない残骸の中にはウランを含んだパーツもある。ぬかるみを50フィート近く掘ってみたものの、今でも弾頭の部分をすべて回収するには至っていない。核爆弾の一部は今でも地中深くに埋まったままというわけだ。

残骸がどこにあるか探すために放射線の測定も試みたがこれといった結果は得られなかった。誰かがその辺りを勝手に掘ってしまわないように空軍は周辺の土地の地役権を買い取っている。

  1. 訳注;未だ見つかっていないようだ。 []

アレックス・タバロック 「マッドマン ~ニクソン大統領のクレイジーな戦略~」(2008年3月10日)

●Alex Tabarrok, “Mad Men”(Marginal Revolution, March 10, 2008)


不合理でクレイジーな振る舞いをする(あるいは「あいつは不合理でクレイジーな奴だ」と相手に思わせる)ことで得する可能性があることを示したのはトーマス・シェリング(Thomas Schelling)である。チキンゲームをやり合っている最中に敵(相手)がこちらのことを「あいつは不合理でクレイジーな奴だ」と思う。その結果としてあちらの方から先に折れる(譲歩する)。そうなる可能性があるわけだ。

シェリングのこの洞察はあのニクソン大統領の耳にも届いていたことはよく知られているところだが、Wired(ワイアード)に掲載されたこちらのゾッとするような記事によるとニクソン大統領はシェリングの洞察を正気とは思えないやり方で実践に移したらしい。

ベトナム戦争に終止符を打つためにパリで和平会議が始められたものの物別れに終わってしまう。そのような状態に業を煮やしたニクソン大統領は次のような手段に訴えた。

・・・(略)・・・ソ連に対して「大規模な核攻撃を仕掛けるぞ」と脅しをかけるだけではなく、「こいつは脅しを本当に実行してしまうようなクレイジーな奴なんじゃないか」とソ連の指導部の面々に思わせようともした。事態がエスカレートして手に負えなくなる前に何とかせねば。そう慌てふためいたソ連側は北ベトナムに圧力をかけるだろう。パリでの和平会議で譲歩しろ。さもないと軍事援助を打ち切るぞ、と。そうなることをニクソンは願ったのである。

ニクソンの脅しは単なる言葉の上での脅しにはとどまらなかった。核兵器を搭載した爆撃機をソ連の領空に送り込んだのである。その結果としてソ連の防衛システムが発動されることにもなったのであった。

1969年10月27日の朝、計18機のB-52――8基のターボエンジンを搭載し翼長は185フィートにも及ぶ爆撃機の一群――がアメリカの西海岸を飛び立った。目的地はソ連の東側国境。ターゲットに向けて時速500マイル超で疾走するB-52。パイロットたちは18時間無休息でB-52を操縦し続けた。全機に核兵器が搭載されており、その威力は広島や長崎を破壊し尽くした核兵器の何百倍にも及ぶ。

激怒するソ連。そのような中、(国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めていた)キッシンジャーはニクソンの指示に従ってソ連側の大使に次のように伝えたのであった。「申し訳ありませんが、大統領は制御不能で誰の手にも負えない状態にあるのです」。

ニクソンにしてもキッシンジャーにしてもシェリングの別の洞察までは自分のものにできていなかったことは一目瞭然だ。私は制御不能の状態にある。その言葉に信憑性を持たせたいのであれば事態をエスカレートさせて自分の力ではもうどうしようもなくなるところまでもっていく必要が時としてあるのだ。その結果としてやがては核戦争に至る。そういうシナリオがいく通りもあり得るというのは心底ギョッとさせられるところだ。ともあれ、ニクソンは何百万人もの命を危険にさらしつつ「ソ連側は合理的に振る舞うだろう」との可能性に賭けていたわけなのだ。

マッドマン(狂人)が世界の安全を脅かしている。今後そんな話を耳にする機会があれば是非とも思い出してもらいたいものだ。この世界に史上最大の脅威をもたらしたマッドマンの一味は我々の味方のはずの面々だったということを。