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アレックス・タバロック「ポーカー・ボット,人間と引き分けに」

[Alex Tabarrok, “Poker Bot Battles Humans to a Draw,” Marginal Revolution, May 10, 2015]

NBC: プロのポーカープレイヤーと人工知能プログラムの勝負は,人間側の辛勝に終わった――あまりにも僅差で,この勝負を運営している科学者たちは実質的に引き分けだと語っている.今回のイベントは2週間前にはじまった.ピッツバーグの「リバーズ・カジノ」で4人のプロたち―― Bjorn Li, Doug Polk, Dong Kim, Jason Les の4名――が,カーネギーメロン大学の計算機科学研究者たちがつくったポーカーボット Claudio とテキサスホールデムで1対1の勝負を8万回にわたって繰り広げた.

(…)本物のお金を掛けた勝負ではない――ドルで示しているのは,スコアボードのようなものだ.最終的に,人間側は総額 732,713ドルの勝ちを上げた(この仮想の勝利でプロたち4名は 100,000ドルの賞金を分け合うことになる).こう言うと大金に聞こえるが,今回の8万回にわたる勝負で掛けられた総額は1億7000万ドルにのぼる.その額からすれば,73万ドルは丸め誤差のようなものだと実験を実施した研究者たちは語った.これは統計的に有意な勝利とは考えられないと彼らは言う.

8万回の勝負を行うなかで,史上最高のポーカー・プレイヤーたちを向こうに回してコンピュータはブラフをはりベットしてみせ,人間側は利用できるスキをコンピュータの戦略に見つけ出せなかった.その点で,コンピュータ側が有意な勝ちをあげたわけだ.しかも,コンピュータは人間よりも速いペースで上達をみせる.

「不可解知能」について述べた投稿で,ぼくはこう書いた――アルゴリズムが洗練されたあまりに,ぼくら人間にはそれがなにをやっているんだからよく理解できなくなっている.警句は「十分に発達した論理はアホと区別がつかない」だ.その手がかりがここに見て取れる:

「ボットがうまくやってるやり口もある一方で,私にはよくわからないやり口もある」と Polk はカーネギーメロン大学のニュースリリースで語っている.「700ドルのポットを勝ち取るために19000ドルをベットするなんて,ヒトならやりそうにない」と Polk は言う.

Polk は用心深く言葉を選んでいる――コンピュータの戦略が間違っているとは言わずにヒトばなれしていて自分の理解を超えていると彼は言っている.ここには,敬意がはっきりと示されている.


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