アレックス・タバロック「スリランカの有機農業大失敗の続報」(2022年1月29日)

[Alex Tabarrok, “Update on the Sri Lanka Organic Farming Disaster,” Marginal Revolution, January 29, 2022]

有機農業による経済危機」(日本語記事)で,こう書いておいた:

今年,100%有機農法にしようと,スリランカの大統領が化学肥料を突如として禁止した.この禁止措置によって,作物の生産量は減り,価格は急騰した.折しも観光客減少とパンデミックと重なって,スリランカでは経済危機が生まれている.

最新の状況はこうなっているそうだ:

スリランカでは,世界初の100パーセント有機農法の国を打ち立てようと企図した杜撰な計画によって作物生産に打撃を受けた百万を超える稲作農家に,補償金が支払われると発表された.

(…)化学肥料禁止に影響を受けた農家に,400億ルピー(2億ドル)を政府が支払う.この火曜に,Mahindananda Aluthgamage 農相が発言した.

「収穫が激減した稲作農家に,我々は補償を提供するつもりだ」と農相は報道陣に語った.「また,適切な肥料が使えないために作物に打撃を受けた人々にも補償を行う.」

政府は,稲作農家への価格助成金としてさらに 1億4900万ドルを支出するとも農相は付け加えた.

昨年は,輸入禁止によって,スリランカの農地のうち,およそ 3分の1 が休耕となった.

中央計画運営が実地でどうなるかっていう好例だ.

Total
18
Shares

コメントを残す

Related Posts