アレックス・タバロック「大学は学生をキャンパスに戻す責任がある」(2022年1月6日)

Alex Tabarrok “On the Responsibility of Universities to their Students Marginal Revolution, January 6, 2022

エミリー・オスターがThe Atlanticに次のように書いている

たくさんの大学が少なくとも1月の一定期間についてリモート学習への切り替えを発表している。その中にはUCLA、コロンビア、デューク、イエール、スタンフォード、ミシガン州立のほか、さらに多くの大学が名を連ねる。

オミクロン株の急速な伝播への対応であるこうした動きは、実質的にすべてのアメリカの大学が対面学習を中止し、春休みのために学生を家に帰し、彼らに対して戻ってこないよう告げた2020年3月の再来のようだ。あの時点では学生をキャンパスから遠ざけることは筋の通った話だった。しかし、今回の決定は誤りで、周回遅れの警戒レベルを反映したものだ。さらに、これは自らの学生の利益を守ることに大学が失敗したことを表すものでもある。

同意だね。私はオンライン教育の大ファンではあるけれど、相当な資金を投じて何年もかけて構築したオンライン教室(MRU [1]訳注;Marginal Revolution Universityの略で、Marginal Revolution運営者のアレックス・タバロックとタイラーコーエンが運営している経済学のオンライン講義 のクラスのように)と、Zoomでの授業を教師に放り投げるのとでは大きく違う。大学は楽しくあるべきだ。他の人たちと会うのは教育の一部だ。オンラインは素晴らしいが何につけてもというわけではない。

オスターの言っていることに3点追加したい。まず、学生はいずれにせよどこかにはいるということ。最近バージニア大学で講演をした際、誰もがルールにしたがってマスクをしていた。講演の後、ザ・コーナー [2]訳注:バージニア大学に隣接する商業区画 に行くとマスクをせずにウェイウェイ酒盛りしている人たちでいっぱいだった。マスク強制はパンデミック仕草でしかなく、ほとんどの学生の今の生活はもちろん、アメリカ国内の現状ともどれだけ矛盾していることか。それと同じように、リモートに移行するのもパンデミック仕草でしかなく、地域全体で見た場合に意味あるレベルで接触を減らしはしないだろう。

2点目は代替弾力性だ。ワクチンがまだ届いていなかった時、行動を大きく変えるというのは納得のいくものだった。しかしワクチンが届いてしばらく経った。ワクチンは素晴らしい、ワクチンは効果がある。だからワクチンをありがたく接種して元の生活に戻ろう。

最後に、こうした主張は少なくともこれと同程度に、あるいはより強く公立学校にあてはまる。それに私たちは数十億ドルを公立学校のパンデミック対策に費やしてきた。学校を再開しないんであればなんでお金をつぎ込んだのかね?

もうたくさんだ!

References

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1 訳注;Marginal Revolution Universityの略で、Marginal Revolution運営者のアレックス・タバロックとタイラーコーエンが運営している経済学のオンライン講義
2 訳注:バージニア大学に隣接する商業区画
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