スコット・サムナー「平均インフレ率目標はますます信用を高めている」(2021年3月17日)

[Scott Sumner, “AIT is increasingly credible,” The Money Illusion, March 17, 2021]

先日,連銀は2021年の個人消費支出インフレ率が 2.4% になるという予測を公表した.米国物価連動国債 (TIPS) の市場は,投資家たちが今後30年の個人消費支出インフレ率が 2% になる一方で今後5年のインフレ率がいくぶん高くなると予想しているという証拠を示している.これはすべて連銀の 2% 平均インフレ率目標 (AIT) 枠組みと整合している.2020年のインフレ率が 2%未達にとどまったのを埋め合わせる必要があるからだ.経済回復は 2009年~2019年よりもずっと急速になりそうだ.その理由の大半は平均インフレ率目標にある.

米国物価連動国債は消費者物価指数を指標にしている点に留意しよう.2%目標が設定されている個人消費支出インフレ率に比べて,消費者物価指数は少なくとも 25ベーシスポイント高くなる.市場の個人消費インフレ率予想のあらい推計を得るには,米国物価連動国債のスプレッドを少なくとも 25ベーシスポイント下方に調整する必要がある.そして最後に,米国物価連動国債は完璧な指標ではない.時間によって異なる流動性プレミアムがあるかもしれないためだ:

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