●Tyler Cowen, “Seminal books for each decade”(Marginal Revolution, April 2, 2011)
本ブログの熱心な読者の一人である Andrew から、以下のような難問が寄せられた。
1920年代を代表する作品と言えば、(スコット・フィッツジェラルドの)『グレート・ギャッツビー』。それでは、1920年代以降のそれぞれの10年を代表する作品と言えば?・・・と問われたとしたら、どのようにお答えになるでしょうか?
私なりの答えは、以下の通り。
1930年代を代表する作品: ジョン・スタインベック(John Steinbeck)著『怒りの葡萄』
1940年代を代表する作品: レイモンド・チャンドラー(Raymond Chandler)著『さらば愛しき女よ』
1950年代を代表する作品:ラルフ・エリスン(Ralph Ellison)著『見えない人間』。次点に、ジャック・ケルアック(Jack Kerouac)著『オン・ザ・ロード』
1960年代を代表する作品:ジョーゼフ・ヘラー(Joseph Heller)著『キャッチ=22』。次点に、シルヴィア・プラス(Sylvia Plath)著『ベル・ジャー』、および、ソール・ベロウ(Saul Bellow)著『ハーツォグ』
1970年代を代表する作品:カート・ヴォネガット(Kurt Vonnegut)の『チャンピオンたちの朝食』に、スティーヴン・キング(Stephen King)の作品の数々に、ピーター・ベンチリー(Peter Benchley)の『ジョーズ』にと候補はいくつかあるが、甲乙つけがたい。ダークホース(大穴)として、ベンチリーの『ジョーズ』ということにしておこう。私の好みに照らして選んでるわけじゃなくて、一時代を築いた作品を選んでいることに注意してもらいたい。それで言うと、リチャード・バック(Richard Bach)の『かもめのジョナサン』も候補に入るだろう。1970年代というのは、正真正銘の大衆文学の時代だったのだ。
1980年代を代表する作品:トム・ウルフ(Tom Wolfe)著『虚栄の篝火』
1990年代を代表する作品:ジョン・グリシャム(John Grisham)著『法律事務所』/バーバラ・キングソルヴァー(Barbara Kingsolver)著『ポイズンウッド・バイブル』/E・アニー・プルー(E. Annie Proulx)著『ブロークバック・マウンテン』
2000年代を代表する作品:マルコム・グラッドウェル(Malcolm Gladwell)著『ティッピング・ポイント』