●Tyler Cowen, “Which are the safest restaurants to eat in?”(Marginal Revolution, March 14, 2020)
科学的な調査結果の裏づけがあるわけじゃなくて、あくまでも個人的な印象に過ぎないと断っておくが、身の安全(健康への影響)を重視するなら、母国がコロナウイルスでトラウマになるような経験を味わっていて、加熱処理が施されている料理を提供しているレストランに行くのがいいんじゃないかと思う。母国が辛酸をなめていることもあって、リスク(コロナの感染リスク)に相当真剣に向き合っているだろうからね。その一方で、コロナ対策がなおざりな国から輸入されていて、加熱処理されていないサラダを出しているレストランは避けといたほうがいい。
言い換えると、中華料理が一番安全だろうと思われるのだ。さらには、中国から(アメリカへ)の入国が制限されていることもその根拠の一つに加わるだろう。というのも、母国(中国)でコロナに感染したコックやウェイターが店内にいる可能性は(入国が制限されていることもあって)極めて小さいからね。翻って、イタリアからの入国は今のところは制限されていないし、空港で細かいチェックがされてるわけでもない。
さらに付け加えておくと、中華レストランは(『密』じゃない)郊外にあることが多いし、一つのテーブルに詰め込まれる客の数も少なめだ。
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●Scott Sumner, “Why I dine outside”(TheMoneyIllusion, August 25, 2020)
レストランで食事をする時は、これまでとは違って、屋外(テラス席)で食べるようにしている。どうしてかって? 韓国で起きた出来事がその理由を説明する助けになってくれるだろう。
新型コロナウイルスに感染した女性がソウル近郊にあるスターバックスの店舗を訪れてから数日後に、その場に居合わせた他の顧客27人が新型コロナ検査で陽性であることが判明した。しかし、マスクを着用していた従業員4名は感染を免れた。
韓国の北部にある坡州(パジュ)市で起きた今回の集団感染は、新型コロナウイルスが狭い屋内空間でいかに急速に拡散し得るかを示す新たな事例であると同時に、感染を最小限に抑えるためのヒントを提示してもいる。マスク着用の効果については世界中の保健当局の間でも未だに論争が続いているが、店内にはエアコンが取り付けられていたにもかかわらず27人が集団感染してしまったわけであり、マスクの着用を義務付けることが新型コロナウイルスの拡散を抑える一助になる可能性を指し示していると言える。
レストランだったり商店だったりに入店する時は、マスクは勿論着けている。でも、マスクを着けたままでは食事できない。だから(マスクを外しても比較的安全な)屋外で食べる、というわけだ。
(追記)韓国では、コロナの感染率はかなり低い。そのことを踏まえると、27人はそれぞれ別の場所で別の時刻に感染したわけじゃなく、同じ場所で同じ時刻に感染した――つまりは、件のスターバックスの店舗で感染した――可能性が高い。ところで、マスクを着用していた従業員4名は今のところはまだ誰もコロナに感染していないようだ。