●Tyler Cowen, “Favorite books by female authors”(Marginal Revolution, November 22, 2020)
女性作家であるエレナ・フェッランテ(Elena Ferrante)が同性(女性)の作家の手になる小説の中からお気に入りの作品を40冊選んでいる。男である私に口を挟む資格があるかどうかわからないが、女性作家による作品の中から私なりにお気に入りを20冊選ぶと以下のようになる(順不同)。対象は、小説だけに限っている。詩は対象外だ。
1. 紫式部(Lady Murasaki)著『源氏物語』
2. エミリー・ブロンテ(Emily Brontë)著『嵐が丘』
3. アリス・マンロー(Alice Munro)の作品ならどれでも
4. エレナ・フェッランテの『ナポリの物語』四部作
5. ドリス・レッシング(Doris Lessing)著『黄金のノート』
6. オクティヴィア・バトラー(Octavia Butler)の『異種創生( Xenogenesis)』三部作(未訳)
7. ゾラ・ニール・ハーストン(Zora Neale Hurston)著『彼らの目は神を見ていた』
8. メアリー・シェリー(Mary Shelley)著『フランケンシュタイン』
9. シグリ・ウンセット(Sigrid Undset)の『クリスティン・ラヴランスダッテル』三部作(未訳) [1] 訳注;三部作(『花嫁の冠』/『主婦』/『十字架』)のうち、『花嫁の冠』と『十字架』の二作は訳出されているようだ。
10. スザンナ・クラーク(Susanna Clarke)著『ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル』
11. ヴァージニア・ウルフ(Virginia Woolf)の作品あれこれ
12. ウィラ・キャザー(Willa Cather)著『マイ・アントニーア』
13. ハリエット・ビーチャー・ストウ(Harriet Beecher Stowe)著『アンクル・トムの小屋』
14. ジェーン・オースティン(Jane Austen)著『説得』
15. アン・ライス(Anne Rice)著『メイフェア家の魔女たち』 /『ヴァンパイア・クロニクルズ』シリーズの第二作(『ヴァンパイア・レスタト』)
16. 推理小説部門から選ぶなら誰になるだろうか? アナイス・ニン(Anaïs Nin)? あるいは、 P・D・ジェイムズ(P. D. James)?
17. クリスタ・ヴォルフ(Christa Wolf)著『カッサンドラ』
18. マルグリット・ユルスナール(Marguerite Yourcenar)著『ハドリアヌス帝の回想』
19. イレーヌ・ネミロフスキー(Irene Nemirovsky)著『フランス組曲』
20. アーシュラ・K・ル=グウィン(Ursula LeGuin)著『 闇の左手』
一点だけ気を付けてもらいたいことは、「お気に入り」を選んでいるのであって、「傑作」を選んでるわけじゃないということだ。ジョージ・エリオットの名前が抜けているのもそのためだ。20選に惜しくも漏れた作品は、誰のどれになるだろうね? イーディス・ウォートンの作品のどれかか、A・S・バイアットの『抱擁』なんかだろうかね? ともあれ、英語圏の誰かの作品ってことになるだろうね。ラテンアメリカ文学で個人的にお気に入りの作品はどれだろうって振り返ってみたら、どれもこれも男性作家の作品だったからね。