●Tyler Cowen, “Dept. of Just Wait, central banker edition”(Marginal Revolution, November 1, 2017)
人工知能(AI)の助けを借りて黒田総裁の表情を分析し、その分析結果を基にして金融政策の行方を予測する。そのような可能性を仄めかす研究結果に対して、黒田東彦日銀総裁はすげない態度で応じた。
AIの研究を専門とする2名の研究者――それぞれ、野村證券とマイクロソフト社に所属――がソフトウェア(感情認識アルゴリズム「エモーションAPI」)を使って日銀金融政策決定会合後の総裁記者会見の映像を解析し、黒田総裁の一瞬一瞬の表情の変化を分析 [1] 訳注;以下がその研究。 ●水門善之&勇大地, “日銀総裁会見の表情解析に基づく感情値の計測と金融政策変更との関係”。その分析結果について、火曜日(10月31日)に開かれた(金融政策決定会合後の)記者会見の場で、黒田総裁は記者からどう思うかと意見を求められた [2]訳注;そのやりとりの模様は以下のような感じ(pdf; pp. … Continue reading。
日銀による金融政策のここ最近の主要な変更としては、マイナス金利の導入とイールドカーブ・コントロール(YCC)政策の導入が挙げられるが、AIを使った件の研究によると、そのどちらのケースでも、新しい政策の導入が決定された金融政策決定会合の一つ前の(金融政策決定)会合後に開かれた記者会見で、黒田総裁の顔に「怒り」や「嫌悪」の感情を示すサインがチラッと浮かんだという。
全文はこちら(デイビッド・ウェッセル経由で知ったもの)。
References
↑1 | 訳注;以下がその研究。 ●水門善之&勇大地, “日銀総裁会見の表情解析に基づく感情値の計測と金融政策変更との関係” |
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↑2 | 訳注;そのやりとりの模様は以下のような感じ(pdf; pp. 12)。「(問)2点伺います。・・・(略)・・・2点目は、一部で、総裁の記者会見での表情に政策のインプリケーションがあるのではないかというAI分析等が出ていますが、ご所見があればお願いします。 (答)・・・(略)・・・もう1つのAIについては、やっている方には申し訳ないですが、あまり意味があるかどうかよく解からないのと、私は特にそのようなことはしませんが、そのように特定の指標で判断するとなると、そのようにならないように人は行動しますので、いたちごっこになってしまうと思います。」 |