ダイアン・コイル 「教養豊かな学生への推薦図書 ~社会科学を本格的に学ぶ前に読んでおくべき本と言えば?~」(2016年1月31日)

●Diane Coyle, “What should the well-educated student read?”(The Enlightened Economist, January 31, 2016)


ニュースサイトのQuartz(クオーツ)に掲載されているこちらの記事に興味をひかれた。米国の一流大学(計10大学)のシラバス(講義概要)でどんな本が指定図書に選定されているかを専攻分野を問わずに集計したデータベースの話題が取り上げられているが、指定図書に選ばれている回数が多い順に並べると、プラトン(の『国家』)、ホッブズ(の『リヴァイアサン』)、マキャヴェッリ(の『君主論』)が上位3位とのこと。実に興味深い。

件の記事に触発されて、「ある問い」をめぐってああでもないこうでもないと頭を捻(ひね)っているのだが、無人島に持っていきたいレコードを8枚選ぶ(あるいは、無人島に持っていくべき食品を10品選ぶ)よりもずっと難易度が高いことに気付かされた。「大学進学を志(こころざ)している若者に幅広い教養を身に付けてもらうのに格好の推薦図書を特定の分野に縛られずに10冊選ぶとしたら、どの本を選べばいいだろう?」という問いになかなか答えが出せずにいるのだ。大学で本格的に社会科学を学ぶ前に、脳の中にできるだけ広い後背地を築いて準備を整えておけるように夏休み期間中に読んでおいてもらいたい本を10冊選べと問われたら、どう答えたらいいだろう?

個人的な好みだったり、育った文化的な背景だったりが反映されざるを得ないだろうが、とりあえず私なりに大きく3つのカテゴリーに分けて選んでみた結果を以下にまとめてみた。ヨーロッパにいくらか偏重しているところがあるだろうと思う。著者が女性の本をもう少し盛り込みたかったというのが正直なところだが、致し方ない。

言わずもがなだが、他に何かお薦めの本があればコメント欄で指摘していただけたらと思う。

*この世界がどうなっているか――世界の実相――を理解するために読んでおくべき本

*この世界がどうあるべきか(どうあるべきでないか)――世界のあるべきかたち――を考えるために読んでおくべき本

*この世界をより良くするヒントを学ぶために読んでおくべき本

Total
1
Shares

コメントを残す

Related Posts