Mark Thoma, “Paul Krugman: Elections Have Consequences“, (Monday, January 04, 2016)
タイトルの通り、選挙は大事である:
選挙の結果は結果に出る: ポール・クルーグマンの論考 (ニューヨークタイムズ): …私はかなりのオタクである…それで2013年の国税庁の税額票を今か今かと待ち焦がれていた…その税額票が如実に示しているのは、選挙結果はちゃんと結果に出るということだ。
それは同然だろうと考える方もいよう。しかし、特に左翼陣営によくみられるのだが、オバマ大統領の達成事項に限界を見出し、これに落胆してしまい、二大政党の間に以前ほど違いを認めようとしなくなる人が一部に存在する。こういった人達の主張によれば、次の大統領が誰であろうと – まあ誰であろうととまでは言わないまでも、少なくとも…バーニー・サンダースが選ばれるのでなければ – 状況に大差は無く、富裕層の政局支配は依然として続くだろうというのだ。…
しかし事実に目を向ければ、Mr.オバマの大統領選出は…実際に、数字で見てとれる結果をもたらしたのである。…
もしミット・ロムニーが勝利していたら、共和党がこの一連の増税を何らかの方法で阻止していたのは確実、そう考えて間違いあるまい。…
事実上Mr.オバマは、『ブッシュ減税』 のみならず、ロナルド・レーガン時代の諸減税まで押し戻したのである…、おおよそにして700億ドルの年間国家歳入となった。偶然だが、『フードスタンプ』 も…今年のオバマケアの純支出 [net outlays] も、ほぼ同じ額になっている。だから我々は重箱の隅を突いている訳ではないのである。
このオバマケアにしても、2012年の結果が逆だったら共和党によって必ずや葬り去られていただろう。… [オバマケアの] ヘルスケアに対する影響は極めて大きいものとなっている。…
さて、公平を期して申し上げるのだが、Mr.オバマの再当選が引き起こすものと大々的に予言されていた結果の内の幾つかは – 要するに彼の競争相手達が予言していたのだが – 実際には訪れなかった。ガソリン価格の高騰は無かった。株価の暴落も無かった。経済も破綻しなかったし…、失業率はきっかり1%、Mr.ロムニーが2016年の終りまでの達成を約束していた値により低かっただけだ。
換言すれば、2012年の選挙は進歩派に幾つかの重要目標の達成を許しただけではなく、これら目標の達成は夢物語ではないのだと周囲に示す機会を与えるものともなったのだ。金持ちにもう少し税金を払ってもらって、彼らほど恵まれていない人達の支援をしたら経済破綻が起こるのでは? いいえ、起きません。
そしていま我々はまた新たな大統領選挙を迎えようとしている。そして今回もその勝敗は今後の帰趨に影響するところ大だ。共和党が誰を党公認候補者に指名するにせよ、その人物は全力を挙げてオバマケアの殲滅と富裕層への租税の減滅に取り掛かるだろう – 実際、共和党が現在掲げている減税案と比べれば、『ブッシュ減税』 など可愛くみえるほどだ。他方、民主党が誰を党公認候補者に指名するにせよ、その人物は何を置いても先ず過去7年間の遺産を守り抜こうと全力を尽くすことだろう。
少なくともこれだけは言えるという事が在る。それは、大統領選挙の結果は結果に出る、それもかなり大きく結果に出るということである。この点はたとえ立候補者らが、あなたがもしかしたら期待しているような熱血漢でなくても、なお妥当する。何も変わりやしないよ、なんて声にはゆめゆめ耳を貸すことのないよう。