Mark Thoma, ‘The Methodology of Empirical Macroeconomics’, (Economist’s View, Wednesday, December 16, 2015)
Brad DeLongから:
必読: Kevin Hoover: 実証マクロ経済学の方法論: 代表的個人モデル・効用に基く 『ミクロ的基礎』 の組み合わせは、いつだって知の領域での定番手品ようなものだった。なんで? いまさら疑う必要なんてないでしょ? いちど資金を集めて社会学者に調査してもらう? 何をって、そりゃあ、どんな理由で – 一部の人にとってはほとんど確実にイデオロギー上都合の良い結論を導き出してくれるから、という理由を別にして – どんな理由でこの組み合わせが、まるまる一世代ものあいだ大盛況を保ってこられたのかだよ。実際のところ実証的な裏付けも理論上の一貫性もまるで無いっていうのに。
Kevin Hoover: 実証マクロ経済学の方法論: 「種々の代表的個人モデルについて、我々の知るところに鑑みれば…、
…これらモデルが機能すべき条件が満たされていると考えるべき理由は、ほんの僅かにさえ存在しないといえる。種々の代表的個人モデルが種々のマクロ的基礎を提供するものであるという主張が上手く行くのは、同モデルもまた、旧態依然としたケインズ主義マクロ計量経済モデルと変わらぬ程度に集計的 [訳注: aggregative] であるという事実と向き合うことを、我々が徹頭徹尾回避し続ける限りの話である。同モデルは集計問題 [the problem of aggregation] を解決していない。そうではなく、この問題を無視し得るものと見做しているに過ぎないのである。