Mark Thoma, Republicans and Climate Change, (Economist’s View, 18 September 2015)
MoneyWatchに寄稿した自分の記事へのリンクを貼って置くのを忘れてしまう事がままある:
共和党と気候変動: 我々は気候変動を前にして何を為すべきか? 水曜夜、共和党討論会でジェイク・タッパー氏がこう問うた時、大統領候補者らは一致して次の見解を取った。すなわち、気候変動と闘う為に掛かる費用は、在り得る恩恵を遙かに上回る、というのだ。
例えばフロリダ州上院議員マルコ・ルビオ氏は、「彼ら (民主党) の提言を取れば、アメリカにおける事業経営は困難に陥る、つまりアメリカの雇用を創出する事が困難になってしまうだろう」 と述べた。ニュージャージー州知事クリス・クリスティ氏も同様の意見だ。「我々自らの手でなんとか気候を正常にしようなどという一部の過激な左翼の理想を追求せんが為に、経済の破壊に向かうなどもっての外だ」 というのが彼の言葉だ。またウィスコンシン州知事スコット・ウォーカー氏は、「それでは私達は国民を –製造業を– 危険に、ええ、この様な行政は国民を危険に晒すものになるでしょう」 と応じた。
気候変動の問題に取り組む事がもたらす恩恵について、政治的右派が共有する懐疑は、少なくとも部分的に、1998年から2013年にかけて地球温暖化が停止したかの様な外観を見せた事に基いている。しかしスタンフォード大学の或る研究者グループの研究結果によれば、『停滞 [hiatus]』 は統計上の人為物 [statistical artifact] に過ぎないという。気温の上昇は全く停止などしていないのだ。
この点に加え、地球温暖化が重大な脅威であるとの旨を示す膨大な科学的証拠に鑑みれば、気候変動が経済に対しもたらすだろう影響の規模を把握する事が重要となる。GDPの損失は大きなものとなるだろうか (その為に気候変動抑制の恩恵もまた大きくなる程に)? 影響は様々な地理的地域を横断して等しく分散されるのだろうか? 一部地域には地球温暖化がかえって恩恵をもたらすなどという事も在り得るのではないか? …