数年前に知った実験結果によると、「平均顔」の方がそうじゃない顔よりも美しい(美男/美女)と判断される傾向にあるらしい。ジュディス・リッチ・ハリス(Judith Rich Harris)の『No Two Alike』(『同じ人なんていない』)に、そのことをまざまざと知らしめる画像が掲載されている。ネットでちょっと検索したら、まったく同じ画像を見つけた。以下の画像がそれだ。
一番上の1段目の画像は、2人の顔(左側は2人の男性の顔、右側は2人の女性の顔)を合成した平均顔。2段目の画像は、4人の顔を合成した平均顔。3段目の画像は、8人の顔を合成した平均顔。4段目の画像は、16人の顔を合成した平均顔。一番下の5段目の画像は、32人の顔を合成した平均顔。下にいくほど、平均顔を作成するために使われている顔の数が多いわけだ。
わ~お! 誰かに「君って平均的な見た目だね」って言われても、腹を立てることはもうなさそうだ。
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今回紹介する本は、『Face Value』(邦訳『第一印象の科学:なぜヒトは顔に惑わされてしまうのか?』)。著者は、アレクサンダー・トドロフ(Alexander Todorov)。副題は、「第一印象の抑え難き影響」。ほんのちょっとだけだが、一部を引用しておこう。
イスラエル人女性および日本人女性に顔の画像を見せて、その画像の人物がどのくらい信頼できるかを評価してもらうと、それぞれがどんな顔を「典型的な顔」と見なすかによって印象にはっきりとした違いが生まれた。(モーフィングと呼ばれる画像を加工する技術を使って)画像の人物の顔を典型的なイスラエル人の顔(イスラエル人らしい顔)に近づけていくにつれて、イスラエル人女性が画像の人物に寄せる信頼は高まっていったが、それとは反対に、日本人女性が画像の人物に寄せる信頼は低くなっていった。画像の人物の顔を典型的な日本人の顔(日本人らしい顔)に近づけていくと、逆の結果が確認された [1] … Continue reading。 我々は、同胞っぽさを備えた顔の持ち主を信頼する傾向にあるのだ。
素晴らしい写真や図も盛り沢山で、お薦めの一冊だ。
〔原文:“Beautiful People are Mean”(Marginal Revolution, May 11, 2006)/“Face Value”(Marginal Revolution, May 25, 2017)〕
References
↑1 | 訳注;画像の人物の顔を典型的な日本人の顔(日本人らしい顔)に近づけていくにつれて、日本人女性が画像の人物に寄せる信頼は高まっていったが、イスラエル人女性が画像の人物に寄せる信頼は低くなっていった、という意味。 |
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