あなたは嘘が上手いだろうか? 多くの人は嘘をつく能力が高いと自任しているようだが、他人を欺(あざむ)く能力には人によって大きな差があるのが偽らざる現実だ。あなたが嘘をつくのが上手いかどうかを見定めるのに役立つテストがある。実に簡単なテストだ。利き手の人差し指で自分の額にアルファベットの「Q」の文字を書くだけだ。
Qという文字を自分が読める――すなわち、Qのしっぽが右下にくる――ように書いたという人もいれば、自分の向かいにいる相手(他人)が読める――すなわち、Qのしっぽが左下にくる――ように書いたという人もいることだろう。このテストでは、「自己モニタリング」と呼ばれている能力をおおまかに測ることができる。「自己モニタリング」能力が高い人は、Qの文字を自分の向かいにいる相手が読めるように書く傾向にある一方で、「自己モニタリング」能力が低い人は、Qの文字を自分が読めるように書く傾向にあるのだ。
「自己モニタリング」能力が高い人は、他人の目(他人が自分をどう見ているか)を気にかける傾向にある。人から注目されることに快感を覚え、自分が置かれているその時々の状況に応じて臨機応変に振る舞いを変えることができ、他人に自分がどう見ているかを操るのが得意である。つまりは、嘘をつくのが上手いのだ。それとは対照的に、「自己モニタリング」能力が低い人は、どんな状況でも(自分が置かれている状況が変わっても)不変で「同じ自分」のままでいる。内面の感情や自分なりの価値観に従って振る舞いがちで、自分の振る舞いが周りにいる人たちに及ぼす影響にあまり気を配らない。そして、日々の中で嘘をつくことが少なくて、他人を欺く(嘘をつく)のがそんなに上手くない。
私は別の誰かの視点から物事を眺めるのが苦手だ。それゆえ、(上の引用文でも説かれているように)嘘が下手だ・・・と知らされたところで、本ブログの長年の読者であれば驚きはしないだろう。
〔原文:“Are You a Good Liar?”(Marginal Revolution, May 31, 2007)〕