David Andolfatto “The failure to inflate Japan” MacroMania, November 29, 2016
2013年1月22日,日本政府と日本銀行はデフレの克服と持続可能な経済成長を達成するという異例の共同声明を発表した。この声明の目的は2%のインフレ目標を導入することだった。これが共同で発表されたのは,金融当局と財政当局が自分たちの共通の目標を達成するために協調することが期待されることを念押しするためで,新たなインフレ目標の信頼性を強化するという明確な試みだった。
2013年4月4日,日銀はインフレ目標をどのようにして達成するつもりか説明を行った。つまりは量的・質的緩和(QQE)だ。QQEは(ほぼほぼ)標準的な金融政策で,例外だったのは通常の規模よりも大きなものだったことだ。すなわち,銀行預金準備(お金)を創り出し,それが今度は証券,基本的には国債,を購入するのにつかわれるというものだ。
当時,僕はこの政策が意図されたとおりにうまくいくか懐疑的だった。僕の疑念は今になっても薄らいでない。この記事ではその理由を説明しよう。僕の主張を簡単に言えば,日銀はインフレを上昇させようと考えていると思われるけれどもそれを行う力はあまりない,そして政府にはインフレを上昇させる力がある一方でそうしようと考えていないと思われる,というものだ。端的に言えば,必要な政策協調が欠けているように見える。 [Read more…]