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タイラー・コーエン「破産した美術館を救済する方法?」(2004年12月26日)

Tyler Cowen, “How to Save an Insolvent Art Museum?“(Marginal Revolution, December 26, 2004)

サザビーズのアメリカ絵画部門元部門長であるジェームズ・S・マロニー氏は、バーンズ財団を救済しフィラデルフィア郊外メリオンにコレクションを留める計画を裁判所に提出した。マロニー氏の計画は、個々の絵画の生涯不動産権を売るというものだ。各購入者は絵画価格の10%かそれ以上を支払い、購入者の存命期間中絵画を展示する権利を「所有」する。バーンズ財団は購入者の死亡時に絵画を買い戻す。収益は、2億米ドルほどの寄贈財産として使用されるという。

これはコレクションの「最も望ましい」作品100点を貸し出さなくてもすべて可能だろう。そしてもし美術館が個人より絵画に低いディスカウントレートを提供できるなら、この取引は経済的に筋が通る。しかし前例は過去に一件しかない(デンバー美術館)し、インフォームドオピニオンはこの提案が通らないだろうと予測している。それに人々が観るためでなく単に所有するために絵画を購入するなら、この計画は成立しない。

引用は2003年12月号のThe Art Newspaper (14ページ)から。

タイラー・コーエン「美術館の本当のお客は誰?」(2004年4月9日)

Tyler Cowen, “An Impossibly Crude Theory of Museums“(Marginal Revolution, April 9, 2004)

洞察力鋭いデビッド・ニシムラ1 は、美術館は所蔵している美術品の売却になぜそんなにも強く反対されるのだろうかと疑問を呈している。私の(非公式の)推計では、数年の間にアメリカの美術館はコレクションのわずか5%しか展示していない。ニシムラは言う。 [Read more…]

  1. 残念ながら引用先の記事はリンク切れ []

タイラー・コーエン「ノーマン・ロックウェルを売ってしまえ」(2017年11月17日)

Tyler Cowen, “Let them sell the Norman Rockwells“(Marginal Revolution, November 17, 2017)

そう、バークシャー美術館のことだ。彼らは40枚の絵画をサザビーズで売却する予定で、そのうちの2枚はとても特別なノーマン・ロックウェルの絵画だった。だが、直前になって、裁判所が中止命令を出した。絵画の売却は美術館の信頼を害するものであると、(不十分な正当性のみで)主張した。以上が私のブルームバーグコラムの設定で、以下がその抜粋だ。

悲しい事実は、バークシャー美術館の運営陣は単にアメリカ美術をあまり大切にしなくなったということだ。少なくとも組織的観点ではそうだ。その現実を踏まえ、重要な美術品を彼らに任せないほうが実際のところ良い。

裁判所の決定は12月に再審議されるが、(美術館が所蔵品に対して)完全で明瞭な権利を有するとして所蔵品の売却を成し遂げるのが難しくなったことをこれは意味する。不確実さと周囲のネガティブな世論の両方が買主を怖がらせて退散させてしまうし、これから長い期間マーケットをダメにするかもしれない。

リンク先のコラムにはもっと詳細を書いている。もちろん売却に反対する理由としては、売却が頻繁に行われる世界では美術館は寄贈者が納得いく拘束約定を締結することが難しくなることだ。寄贈者は自分が寄贈した美術品をマーケットで売却されて再利用されたくなんてないという場合が多い。しかし、売却ゼロの均衡はアートの世界にとって価値を相当破壊する。この問題は時間が経つにつれ大きくなっていき、所蔵品の数と美術館の過去の不適切なコミットメントは積みあがっていく。少なくとも、遅かれ早かれ破綻状態が始まる。錆びは眠らない。などなど。

教会は停滞しているアメリカの主要都市に、あれ程の土地を全部、本当に所有しておくべきだろうか?

タイラー・コーエン「デトロイト美術館の経済学」(2014年3月30日)

Tyler Cowen, “The Economics of Detroit art museum“(Marginal Revolution, March 30, 2014)

幸運なことに費用を推計するのは簡単なことだ。そして絵画の展示費用は主として時価から算出できる。16世紀フランドル画家ピーター・ブリューゲル(父)の「婚礼の踊り」を例に取ってみよう。デトロイト美術館の観者はこの絵を1930年から楽しんできた。将来世代のためにこの絵を保存するのにどれくらい費用がかかるだろうか。

結果、かなりの金額になることがわかった。クリスティーズによると、このキャンバスひとつで2億ドルに上る可能性があるという。金利が通常レベルに戻れば、例えば6%としよう、(同額の投資の)放棄利子利益は一年で約1200万ドルになる。

もし美術館が年間2000時間オープンしていると推定して、ギャラリー空間や他の間接的費用を無視するならば、展示された絵画を維持する費用は一時間あたり6000ドル以上だ。一年を通して、一時間に平均5人の観者が訪れるとして、ひとりにつき一時間1200ドル以上の体験を提供していることになる。

タイラー・コーエン「アンティークはなぜそんなに安くなったの?」(2018年3月10日)

Tyler Cowen, “Why are antiques now so cheap? “(Marginal Revolution, March 10, 2018)

「アンティーク収集の全盛期に比べたら、現在の平均的な価格はその頃の80%オフです」とコリン・ステア氏、NYハドソン街にあるオークションハウスであるステア・ギャラリーの経営者は言う。「典型的なジョージ王朝様式の18世紀の家具、引出し付きチェスト、三脚テーブル、ペンブロークテーブル」はすべて15-20年前のほんの少しの値段だと。

これはニューヨークタイムズ紙のティム・マッコウ氏の言葉だが、記事には証拠がたっぷり載っている。いくつか私が仮説を立ててみよう。

1.eBayとインターネットは需要より供給を増やした。財産や屋根裏部屋の私物を売るのは以前よりずっと簡単になった。だが、このマーケットの潜在的な需要の伸びはそこまで大きくはなかった。「アンティークを実際に買って収集してもいいよ、時価より40%オフで僕の欲しい18世紀モノが見つかれば」というひともいるだろうが、もっと多くのひとは単に興味関心がまったくない。

2. さっきの記事は、多くの客は新しいモノに目が行っているということも示している。過去のモノに目を向ける姿勢は、根本的にいくらか変わったのかもしれない。ある時を境にしてほとんどのひとの美学の世界から存在しなくなったかのように。エルビス・プレスリーの記念品をどんな風に集めているかとか、或いはエルビスでさえ以前ほどアイコンとして扱われなくなったとかいうことにちょっと似ている。

多くの人々にとって、「英国アンティークは物悲しさと古臭さの象徴です」とニューヨークのインテリアデザイナーであるサッド・ヘイズ氏は言う。彼は最近、アンティークでいっぱいに飾られた家を空にして、現代風な部屋をデザインした。若者と高齢者の両方の富裕層顧客にだ。彼によると、現代的なデザインは「もっとずっと楽観的でポジティブなモノを象徴します」と。

3. 住宅事情が変わった。「より多くの家が、フォーマルなダイニングルームや書斎よりも、オープンコンセプトでカジュアルな空間を持つようになりました。風格のあるマホガニー材のダイニングテーブルや椅子、飾り棚の必要性が減ったのです」。

4. インターネットの美学は「古くて時代遅れなモノ」から人々を遠ざけた。インスタグラムの写真を見てみるといい。

他に何か?

タイラー・コーエン「絵画を高価にするのは何だろう」(2004年5月17日)

Tyler Cowen, “What Makes a Painting More Valuable“(Marginal Revolution, May 17, 2004)

結果の多くは驚くものではない。明るい色彩のものは暗い色彩のものより、楽しそうな自画像は未亡人のものよりよく売れるし、横長のものは暖炉の上に掛けやすい。以下にいくつか他のことも述べよう。

  1. 風景画は、馬や人が前景に位置していると3倍も値が上がることがある。工場の姿があると通常、価格は下がる。
  2. 静物画は、果物のものよりも花のほうが価格が高い。バラは花の階級の中で最上位に位置しており、菊やルピナスの花(労働者階級のものと見なされる)は最下位だ。
  3. 動物にも階級がある。純血種の犬は雑種犬より絵画の価格を上げる。スパニエル犬はコリー犬より高値になる。競走馬は荷馬車馬より高値をつける。猟鳥について言えば、以下の経験則が成り立つ。仕留めるのが難しい鳥の絵ほど値が上がる。ライチョウはマガモよりも高値だ。そして動物の絵は、後姿ではなく、正面から描かれているのがいい。
  4. 水が描かれている絵は値を上げる。ただ、水面が穏やかなものだけだ。難破船など問題外。
  5. 丸や楕円形の形をした絵画はひどく人気がない。
  6. ブーシェの裸婦スケッチ画は、類似の男性を主題としたスケッチ画に比べて10倍の値がつく場合がある。

結論:買主は上流階級を反映する様式の美術品を好む。詳しくは2004年5月発行のThe Art Newspaper紙に掲載されている記事“Why some Pictures Go For More Than Others”を読んでほしい。

フランシス・ウーリー「ミルクはびっくりするほど安くなった」(2017年4月21日)

Frances Woolley, “Milk is mind-bogglingly cheap” (Worthwhile Canadian Initiative, April 21, 2017)

カナディアンクックブックは1923年に初版が出版された。私が持っているものは1949年出版のものだ。

この料理本は家政学の全盛期に作られている。科学原理を家庭生活に応用しようという時代だった。レシピには、栄養素情報、より洗練されたエチケットのガイド、今日でいうところの『金融リテラシー』が入っていた。

Canadian Cook Book

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フランシス・ウーリー「銃を陳腐化する」(2018年3月5日)

Frances Woolley, “Making Guns Obsolete” (Worthwhile Canadian Initiative, March 5, 2018)

アメリカ合衆国は特異な銃文化を持っているとされている。しかし経済学者にとって文化というのはおもしろくない説明だ。私たちは文化の起源を探す、それを促進し維持しようとする経済的・社会的影響を探すのだ。

狩猟、開拓生活、そして戦争はアメリカの銃文化が如何に始まったかを説明することはできるが、維持についてはそうでもない。銃に親和的な地方は人口を失っており、人口増加は銃所持率の低い都市部と郊外に集中している。最も急激に増加しているアメリカの人口区分、すなわちヒスパニック、アジア系、黒人といった人々は、最も銃を所持しそうにない。それに、このトレンドは何十年も続いている。これは成人アメリカ人の銃非所持世帯率が1973年に50%だったのが、2014年には64%に増加した理由を説明できる(総合社会動向調査のデータはこちら)。 [Read more…]

タイラー・コーエン「サムナーにおすすめの東京情報」

Tyler Cowen, “My Tokyo Advice to Scott Sumner,” Marginal Revolution, March 26, 2018

東京で良質のフランス料理とイタリア料理の両方を食べるべきだ。

君にとって重要ならだが、本物のCDショップが東京にはまだある。

時間を取って地下街を散策するといいだろう。例えば新宿駅とか。他にもいくつか。

築地魚市場がまだ営業しているかわからないが、営業しているなら行く価値はある。

iPhoneの翻訳機能を準備しておくこと。文字と音声の両方。

東京で迷子になるのは最高だ。目に見えるものに囚われないように。

国立博物館。国立西洋美術館は良いが、行かねばならないというほどではない。

移民のいる地区を探してみるといい。

できだけいろんな時間帯に外を散策して東京を味わってみるといい。

紀伊国屋書店はとても良い。全体として六本木は好きではないが、駐在員や長期滞在者向けの派手なバーやレストランはそれなりの楽しさがある。

労働者階級の日本人がいる地区に行ってみるといい。地下鉄の主要な駅でもあるが、池袋とか。

自動販売機を探すといい。いくつも自動販売機が並んでるところとか。

子供向けも含め、ゲームセンターはかなり素晴らしい。

パチンコを一度は試すべきだ。

タイラーより

追記:スコットの元ブログはこちら和訳

スコット・サムナー「日本で何を見たらいい?」

Scott Sumner, “Japan Bleg”(TheMoneyIllusion, March 24, 2018)

来月、日本(東京、京都といくつかの地方)を訪問するので、どこに行ったらいいかオススメを教えてくれたらありがたい(食べるところよりも何を見るのがいいのかという路線で)。日本銀行には素晴らしい木版画の美術館があると聞いたが、ネット上で英語の情報を見つけられなかった。

若いとき僕が好きな国はイギリスだった。今は日本だ、そのほとんどの理由は日本美術だ。これは僕にとって初めての日本旅行になる。

それから、歩きの問題(足底筋膜炎かな?)についての提案もあったらありがたい。旅行中、僕はいつもたくさん歩くのだけど、ここ一ヶ月左足が痛む。

何年か振りの「本当の」休暇を楽しみにしてるよ!