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アレックス・タバロック「字幕>吹替え」(2019年1月15日)

Alex Tabarrok, “Subtitling > Dubbing“(Marginal Revolution, January 15, 2019)

テレビ番組の翻訳技術が英語スキルに影響するか全世界的規模の分布を調査した。字幕付きオリジナル版の放送は大きなプラス効果があるのに対し、吹替え版では反対であることが、英語能力試験の点数において認められた。各国がどちらの翻訳方法を選択したのか歴史的背景を分析し、字幕指標の可能な内生性を説明するのに使用した。スキルタイプ別に分けると、テレビ番組は特にリスニング能力に有効なことがわかった。我々の論文は、外国語学習の上達方法として政府が字幕番組を推進することを提言している。

これは「テレビか否か:字幕の英語スキルへの影響( TV or not TV? The impact of subtitling on English skills)」からである。有益な調査結果を載せている賢い研究だ。

私たちのマージナル・レボルーション大学(Marginal Revolution University, or MRU)(教科書のリンクはこちら)のミクロ経済学原理およびマクロ経済学原理の動画は、英語、スペイン語、ヒンディー語、アラビア語、その他諸言語の字幕が付いているので、経済学のみならず語学を学ぶ手助けにもなるかもしれない、と私は言わずにはいられないのだ。

アレックス・タバロック「メキシコ国境沿い犯罪率」(2019年1月8日)

Alex Tabarrok, “Border Crime“(Marginal Revolution, January 8, 2019)

ケイトー研究所のアレックス・ナウラステ氏は、メキシコ国境沿いに位置する郡の犯罪率は、全米のその他地域と比較して低いと述べている。

もしアメリカ全土の犯罪率が国境沿い地域の2017年のものと同等であったならば、殺人事件は33.8%、窃盗事件は2.1%、そして暴力事件は8%低かっただろう。

もちろん、国境沿いの郡は国境に接していない郡に比べるとずっと田舎であるなどの違いがある。とはいえ、違法移民とアメリカ国民(American Blood)についての激しいレトリックに比べると、いくつかの事実は衝撃的だ。

アレックス・タバロック「FBIは取り調べを録画していない」(2018年12月24日)

Alex Tabarrok, “Why doesn’t the FBI videotape the interviews?“ (Marginal Revolution, December 24, 2018)

マイケル・ラパポート氏は、ロー・アンド・リバティー誌で次のように書いている。

取り調べ中に取り調べを受けている人物が嘘をついていると思ったら、政府に対して偽証したとしてFBIはその人物を起訴することができる。刑罰はかなり重い。合衆国法典第18編第1001条のもと、連邦政府に対するいかなる偽証も5年間の実刑の対象とされている。随分と長い刑期だ。

FBIはどうやって偽証を証明しているのだろうか?ビデオ録画していると思われるかもしれない。録画は偽証をしているかどうか証明するのに最高の証拠だ。だが、あなたがそう思っているとしたら、とんでもない間違いだ。

FBIは取り調べを録画していない。取り調べの録画を禁止するFBIガイドラインがあるらしいのだ。代わりに、FBIはもうひとり捜査官を取り調べに立ち合わせる。そして立ち会った捜査官は、取り調べ中に自分が取ったノートをもとに、第302書式Form 302)というレポートを提出する。

ここでは何が起こっているのだろうか?なぜFBIは録画を禁止して、代わりに取り調べの概要に頼るのだろうか?最も明らかな理由はFBIを贔屓してはくれないものだ。取り調べを録画していないなら、FBI捜査官は取り調べ対象の人物が偽証しているというFBI独自の見解で議論することができる。(被告人が法廷で証言したとしても)被告人よりもFBI捜査官のほうが信用されやすいので、この取り調べのやり方はFBIにとって有利である。逆に録画があると、裁判官や陪審員は偽証があったかどうかを自分で判断できてしまう。

現行法においてこれは憲法違反だという意見を持つひともいる。正当な法の手続き条項(the Due Process Clause)の解釈を巡って争われたマシューズ対エルドリッジ事件では、より正確な判断をもたらし、費用をかけるに値する別の方法があるならば、〔録画なしの取り調べは〕違憲であるとしている。録画の費用の低さを考えれば、正確さのために録画するのは便益が費用を上回るのは明白だろう。

バービー・シルバーグレイト氏のこちらの素晴らしい記事も参照されたし。

アレックス・タバロック「スポーツ選手のタトゥーの著作権は誰のもの?」

Alex Tabarrok, “Athletes don’t own their tatoos“(Marginal Revolution, December 28, 2018)

ニューヨークタイムズ紙の記事有形的表現媒体に固定されている」創造的イラストは如何なるものも著作権を有している。アメリカ合衆国著作権局によれば、これはひとの皮膚上にインクで表示されたものも含む。しかし、法律専門家が指摘するように多くのひとが誤解しているのは、タトゥーの著作権はタトゥーをしているひと本人ではなく、タトゥーアーティストのものだということだ。

タトゥーアーティストの中には著作権を企業に売却した者もおり、それら企業はゲームに出てくるスポーツ選手のタトゥーがそっくりに表示してあるとしてゲーム制作会社を現在訴えている。

Solid Oak Sketches社は、3人のバスケットボール選手から5つのタトゥーの著作権を取得した、レブロン・ジェームズ選手の肖像と市内局番1 も込みで。NBAオフィシャルゲームソフトであるNBA2Kシリーズにこれらタトゥーが〔無断に〕使用されているとして2016年に訴訟を起こす前のことである。
この企業は訴訟前に過去の著作権侵害について81万9500米ドル、将来の使用料として114万米ドルの取引を試みていた。
このような脅しを回避するために、現在ではスポーツ選手たちはタトゥーを入れる前にタトゥーアーティストからライセンスをあらかじめ得るようにと忠告されている。
  1. 訳注:ジェームズは出身地の番号を自身の出生の表現として使用している []

タイラー・コーエン「アートコレクションの現在」(2017年5月23日)

Tyler Cowen, “Art Collection Today“(Marginal Revolution, May 23, 2017)

この本「Art Collection Today(アートコレクションの現在)」の著者はダグ・ウッダム氏で、副題は「芸術熱狂者すべてに市場の眼識を」である。

私はこの本のすべてが好きだ。著者は経済学博士号を取得していて、マッキンゼーのパートナーおよびクリスティーズの重要な役職に就いていたというところにも留意してもらいたい。 [Read more…]

タイラー・コーエン「絵画売却額における性別差」(2014年11月22日)

Tyler Cowen, “The art sale gender pay gap“(Marginal Revolution, November 22, 2014)

ジョージア・オキーフの絵画が4400万米ドルで落札され、女性画家としての最高額を更新した。それまではジョアン・ミッチェルの絵画で、1190万米ドルだった。フランシス・ベーコンは1億4240万米ドルで落札されたことがある。なので、

オキーフ絵画の高額売却にもかかわらず、男性画家と女性画家の価格差は大きいままだ。〔絵画における〕価格の男女差は、だいたい男性1ドルに対して女性84セントだ。絵画の「最高売却額の差」は現在は男性1ドルに対して女性31セントである。オキーフの絵画が落札されるまでは、男性1ドルに対して女性8セントであった。

オリバー・ローダー氏の記事から。

ポール・クルーグマン「失墜した経済思想」(2017年9月22日)

Paul Krugman, Discredited Ideas (Video VOX, 22 September 2017)

金融危機とその後の状況は私たちが思ったように理解不可能なものだったでしょうか。この動画では、ポール・クルーグマンは私たちが学ぶことのできる四つの見解をあげています。この動画は2017年9月22日に開催された「金融危機から10年」と題されたカンファレンスで録画されたものです。1  [Read more…]

  1. 訳注:本訳はクルーグマンが実際に話しているものをもとにしており、動画の英語字幕とは必ずしも一致しません。 []

タイラー・コーエン「写実的なアートを好むひとはBrexitを支持する」(2018年10月9日)

Tyler Cowen, “Preference for realistic art predicts support for Brexit“(Marginal Revolution, October 9, 2018)

これはノア・カール、リンジー・リチャード、アンソニー・ヒースのペーパーの概要の一部だ。

個人の性格特性の違いを対照として〔実験を行ったところ〕、 4枚の写実的な絵画すべてを好みだと回答した被験者は、ゼロまたはひとつしか好みではないと回答した被験者に比べて、Brexitを支持する確率が15-20%高い傾向にあることがわかった。この結果は、大卒者と高卒者の〔Brexit支持率の〕違いと類似しており1  、被験者の支持政党アイデンティティを対照にした場合では強固であった2

素晴らしいケヴィン・ルイスの記事から。

  1. 訳注:Brexit支持率は大卒者で低く、高卒者で高い []
  2. 訳注:Brexit支持率は英国保守党支持者で高く、労働党支持者で低い []

タイラー・コーエン「美術書ってどれくらい売れてる?」(2004年4月15日)

Tyler Cowen, “How well do art books sell?“(Marginal Revolution, April 15, 2004)

答えはシンプルだ。美術書はあまり売れない。写真集やハウツーものを除いて、2003年[アメリカで]最も売れた美術書はロス・キング著「システィナ礼拝堂とミケランジェロMichelangelo and the Pope’s Ceiling)」で、5万5693部売れた。アメリカでは一万部以上売れた美術書は、写真集とハウツーものを除いて、他に4冊しかなかった。驚くべき事実は、私が見る限り、ボーダーズやバーンズ&ノーブルといった一般的な大型書店で我々がどれだけたくさんの美術書を見つけることができるかだ。もちろん、そのうちの多くは出版社に返却されてしまうのだが。これら美術書は読者を、ウォルマートではなく本屋で、小説「ダヴィンチコード」を買うように導いていく。

アメリカに比べて人口が少ないにもかかわらず、イギリスでは美術書はもっと人気がある。イギリスで最も売れた美術書は、ティツィアーノのカタログだが、6万部を売り上げた。

これはウェブでは読めないが、The Art Newspaperの2004年4月号の記事「Big Market but Few Books Bought」から。

タイラー・コーエン「レオナルド・ダ・ヴィンチって過大評価されてるんじゃない?」(2017年10月18日)

Tyler Cowen, “Is Leonardo da Vinci overated?“(Marginal Revolution, October 18, 2017)

モナリザは史上最高の芸術品と言うわけではないし、絵描きとして、マンテーニャやピエロ・デラ・フランチェスカといった世間ではあまり知られていない画家に比べてレオナルドは大して上手いとは思えないし、ティツィアーノに比べたら随分下だ。ミケランジェロのダヴィデ像のような素晴らしく魅力的な芸術作品もないし、彼が受注した依頼品のあまりに多くは未完成のままか、若しくは描き始められさえもしなかった。彼の手稿は豊かな想像力を見せてくれるが、大動脈弁について以外に実用的な知識は大して含まれていないし、GDPを押し上げたわけでもなければ読む価値があるわけでもない。彼の科学のほとんどは、彼の時代を考慮しても、理論的に弱い。ミラノで宮廷インプレサリオ1 として働くには満足しすぎていたし、比較優位を踏まえたうえで自分の才能をどう生かすかまったくわからないというように見えた。

思いついたアイディアを記憶に残るようなスケッチに描き表すのが、レオナルドの最も卓越した才能であり、これについては彼に匹敵する者はいない。

それに加え、「ミラノの貴婦人の肖像」は、愛くるしささえも伴って、とても素晴らしく描けている。

レオナルド・ダ・ヴィンチ入門書として、ウォルター・アイザック氏の書籍をお勧めする。私のレオナルドについての意見は変わらないが。

  1. 訳注:現代で言うところのアートプロデューサー。中世イタリアでオペラなどの公演を運営する者の名称。レオナルド・ダ・ヴィンチはミラノ公爵に仕えていた時代に演劇や野外劇を手がけている。 []