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タイラー・コーエン「いかにもイギリスらしいレイヴで科学する文化」(2021年4月29日)

[Tyler Cowen, “The science rave culture that is British,” Marginal Revolution, April 29, 2021]

イギリスでは,今週,大型ナイトクラブで数千名がレイヴに集う.パンデミック下で中止されていた劇場での各種ライブイベントが,この6月の末から予定されているとおりに収容人数満員で再開できるかどうかを検証する重要なテストになるのが,このレイヴだ.

イングランド北西部のリバプールで催されるこの2日間のイベントは,全国的な研究プログラムの一環として行われる.同プログラムでは,大規模イベントへの入場を安全にするためのコロナウイルス検査を人々がよろこんで受けることが示されているようだ.

また,ライブイベントがコロナウイルス感染症を広めているという早期の徴候も見られないと,政府の科学者ポール・モンクスは言う.同プログラムは,来月にも第二フェイズに移行すると予想されている――このフェイズでは,収容人数の「規模がさまざまに異なる」屋内・屋外の「ありとあらゆる」会場でライブイベントを開催する.

全文はこちら.via Vith E.

アレックス・タバロック「Vox の BLM 解説」(2021年4月20日)

[Alex Tabarrok, “Vox on BLM,” Marginal Revolution, April 20, 2021]

VOX: 2014年から2019年まで,キャンベルは全米 1,600件以上の BLM 抗議運動を追跡した.その大半は,大都市で起きた.抗議に参加した人々は,35万人近い.追跡してキャンベルが得た主な発見は,これだ:国勢調査の対象地域のうち,BLM 抗議運動が起きたところでは,警官の威力使用による死者が 15~20パーセント減少した.警官による殺人件数がおよそ 300件減っている.

また,キャンベルの研究によると,BLM 抗議運動が起きた地域では,こうした抗議運動と殺人件数の 10% 増加とが相関している.これはつまり,2014年から2019年にかけて,かりに抗議が起こらなかった場合にこれまでの傾向がそのまま続いていたと仮定して予想される件数に比べて,1,000件から 6,000件ほど殺人事件が増えているということだ.キャンベルの研究には,昨年夏の歴史的な抗議運動のうねりがもたらした影響は含まれていない.関連するデータがまだ揃っていないためだ.

(…)殺人発生率の増加には,これ以外にも説明が考えられる.警察当局がみずからすすんで地域住民とのやりとりを減らしていて,その結果として,犯罪活動をのさばらせているのかもしれない.警察が地域とのやりとりを減らしているかどうか観察するには,この期間に検挙された窃盗事件の割合が減少しているかどうか確かめる手がある.つまり,警察が――士気が下がったからであれ,自分たちの行動を市民が吟味することに憤慨したからであれ――通報のあったレベルの低い犯罪の解決に以前ほど熱心に取り組まなくなっているのか,調べてみればいい.検挙された窃盗事件の割合は,5.5パーセント減少しているのを,キャンベルは見出している.これは,抗議運動が始まってからすぐに警察がみずからの取り組みを減らしていることと整合する.

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サイモン・レン=ルイス「コロナウイルス景気後退からの2タイプの回復,あるいは近い過去に戻っても金権政治ポピュリズムと効果的に戦えない理由」(2021年4月12日)

[Somon Wren-Lewis, “Two types of recovery from the COVID recession, or how you cannot effectively fight plutocratic populism by returning to the recent past,” Mainly Macro, April 12, 2021]

普段は予測の話はしないのだが,先週出た IMF の世界経済予測 (World Economic Outlook) は,多くの人が言っている論点を例示している.イギリスも EU諸国も,インフレを加速しない産出水準と自分たちが信じるところまで徐々にもどしていく用意を調えている.その一方で,アメリカはオーバーシュートするアプローチをとっている.しばらく経済を少しばかり過熱させていくアプローチだ.世界経済予測から引用した下記の表は,GDP 成長の予想を示している.重要な数字は,最後の段に出てくる.これは,パンデミックが始まってから景気回復がおおよそ完了する時点までの全体的な経済成長を示している.これを見ると,2022年の成長にばかり注目するのが完全に見当外れだとわかる.だが,きっとイギリスもヨーロッパも2022年の経済成長にばかり関心をしぼることだろう.
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タイラー・コーエン「『面接に来たら50ドルあげます』:どこでも1兆ドルの追加刺激策を必要としてるわけじゃない」(2021年4月18日)

[Tyler Cowen. “Not everywhere needs another $1 trillion in stimulus,” Marginal Revolution, April 18, 2021]

フロリダのとあるマクドナルド店舗では,採用面接にやってくるだけで,応募者に50ドルを支払っている.それでも,いまだに募集に応じてやってくる人々は多くない

そのフランチャイズ店のオーナーであるブレイク・キャスパーは Insider の取材に答えて,こう語った――従業員を雇うために「必要なことならなんでもやれ」と伝えたところ,支店長と主任が面接報酬のアイディアを考えついたんですよ.

「現時点で,うちのドライブスルーを回まわせなくなったら,面接1回につき50ドルを払います」とキャスパーは言う.彼はフロリダ地域のタンパにマクドナルドの店舗を60軒所有している.

記事の全文はこちら.すばらしき Samir Varma にご教示いただいた.さて,もちろん過剰な失業保険は問題で,スコット・サムナーがこの文章で2021年の夏について書いている.多くのデータポイントが急速な景気回復を示しているし,サマーズとブランシャールは〔バイデン政権の支援パッケージが巨額すぎると警告した点で〕先見の明があったわけだね?

タイラー・コーエン「スポックはどれくらい合理的だった?」(2021年4月17年)

[Tyler Cowen, “How rational was Spock?” Marginal Revolution, April 17, 2021]

[ジュリア・]ゲレフは,こうした予測がどれほど当たっているのか気になって,正確に知りたいと考えた.「そこで,『スタートレック』全エピソードと映画版を全部通して調べてみたんです――見つけられるかぎりすべての書き起こしを調べて――それで,スポッックが「確率」「見込み」「偶然」「確実に」「おそらく」といった単語を使っている事例を検索してみました」とゲレフは言う.「スポックがなにか予測した事例をすべてカタログにして,その予測が当たったか外れたかをまとめていきました.」

その結果はどうなったか.ガレフの新著『スカウト・マインドセット』にも述べられている結果は,惨憺たるありさまだった.スポックの予測実績はひどいものだったし――「不可能」とスポックが言っていた出来事の 83パーセントは実現していた――,そればかりか,スポックの確信度は現実と逆相関していた.「しかじかのことが起きるという予想に――宇宙船が大破するとか,生存者が見つかるとか,その手の予想に――スポックが自信をもっていればいるほど,その出来事は起こりにくいんです.そして,スポックの自信が小さいほど,その出来事はよく起こります」とゲレフは言う.

スポックの最大の弱点は,他人がいつでも「論理的に」ふるまうとはかぎらないことを理解し損ねているところだ.また,スポックは自分のアプローチを更新しようと試みない.自分の失敗が仲間が死ぬ憂き目になってもなお,アプローチを改めようとしないのだ.

Wired の記事全文はこちら.ジュリアの新著はこちらから購入できる.テレビシリーズに比べて映画版の方がスポックは合理的になってたりしないかな.あと,ファンの二次創作だとどうだろう? 劇的な不合理性がとりわけ強く求められる場面って,どんなのだろう? その理由は?

ノア・スミス「ヒッケル説を反駁する:貧困削減をめぐる議論」(2021年4月3日)

[Noah Smith, “Against Hickelism,” Noahpinion, April 3, 2021]

貧困は減少してきてる.そして,それは自由市場資本主義のおかげではない.


Mumbai Night City” by Vidur Malhotra, CC PDM 1.0

ジェイソン・ヒッケルを反駁するのは骨折り仕事なうえに,やったところで感謝もされない.ヒッケルのツイートが世間であちこち出回っている.その一方で,そのツイートの冷静な反駁が,かえってツイートの勢いを増しているありさまだ.それでも,反駁はぜひしておかないといけない.なぜなら,ヒッケルの言ってる見当違いな物語は掛け値なしに人口に膾炙しやすいので,永遠に終わらないシジフォスの苦役のごとき反論が必要になるからだ.
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アレックス・タバロック「議会の公聴会で話してきたよ」(2021年4月15日)

[Alex Tabarrok, “My Congressional Testimony,” Marginal Revolution,April 15, 2021]

会合はうまくいったと思う.4つの論点を話してきた.
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ノア・スミス「バイデノミクス解説」(2021年4月3日)

[Noah Smith, “Bidenomics, explained,” Noahpinion, April, 2021]

これはレーガン時代の終わりだ.でも,話はそれで終わらない.


Joe Biden” by Gage Skidmore, CC BY-SA 2.0
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タイラー・コーエン「どうしてもっと多くの人が大学に進学しないんだろう?」(2021年4月2日)

[ Tyler Cowen, “Why don’t more people go to college?” Marginal Revolution,  April 2, 2021]

American Economic Journal: Macroeconomics に掲載されてるこの論文は,Bryan Caplan の議論にいくつかの点で通じるものがありそうだ:
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アレックス・タバロック「失敗は成功の母」(2021年4月3日)

[Alex Tabarrok, “Failure is the Mother of Success,” Marginal Revolution, April 3, 2021]

Jeffrey E. Harris の新しい論文が出た:
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