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チャールズ・エンゲル&スティーブ・パク・ユン・ウー「為替レートモデルは思われているより優れている。昔はうまく機能しなかった理由」(2024年9月6日)
一般的に、為替レートの標準的なマクロ経済モデルは実際のデータにうまく適合しないと考えられている。しかし、この記事では、実質金利、予想インフレ率、アメリカの貿易収支、グローバルリスク、流動性需要などの指標を含めたモデルが、21世紀のアメリカドルと他のG10諸国の通貨との為替レートの実データに適合すると論じる。〔マクロ経済モデルの〕貨幣と非貨幣の両方の変数によって、為替レートの動きを説明することができる。1970年代以降、モデルの適合性は徐々に改善しており、これは金融政策の改善(インフレ・ターゲット導入)と関連している。
ハンス=ヨアヒム・ボス&ニコ・フォクトレンダー 「ナチス流の利益誘導 ~ナチスによるアウトバーンの建設は政権への支持を高めたか?~」(2014年5月22日)
ヒトラー率いるナチス政権は、国の全土に及ぶ高速道路網――アウトバーン――を世界で初めて整備した。本稿では、ナチスによる高速道路の建設が政権への支持にいかなる効果を持ったかを検証する。1933年から1934年までの間に行われた選挙なり国民投票なりで投票結果にどんな変化が起きたかに着目して分析を加えたところ、「利益誘導」を意図した財政支出が政権への不支持率を低下させる効果を持ったことが見出された。高速道路が横切らなかった郡(選挙区)と比べると、新たに高速道路が横切ることになった郡(選挙区)では、選挙なり国民投票なりで政権への反対票の減り方がより大きかったのである。少なくとも1934年以降に関しては、アウトバーンが政権の人気をいくらか支える役目を果たしたと言えそうである。
トマシュ・ウィラデク「量的緩和と伝統的金融政策、どちらがインフレに強い影響を与えるのだろうか?」(2024年1月3日)
本記事では、8つの計量手法を用いて、ユーロ圏、イギリス、アメリカについて、量的緩和と伝統的金融政策〔短期金利の操作〕を比較し、インフレへの影響を検証する。
リア・ブスタン&イリヤナ・クジエムコ「クラウディア・ゴールディンのノーベル賞受賞について」(2023年10月24日)
ノーベル委員会は彼女のこうした研究に正当な評価を与えたと信じている。しかし、我々の見解では、受賞理由では彼女の業績の一部しか挙げられていない。ゴールディンのジェンダーギャップについての研究は、労働市場における不平等の解明という、より大きな問題の一部なのだ。
コーエン・N・チューリング「ケインジアン vs マネタリストの区別はもはや時代遅れである」(2023年5月23日)
この記事では、ケインズ主義とマネタリズムの区別は、(共にワルラス経済学に依拠していることから)現代のマクロ経済論争を理解する上で、時代遅れであると論じる。今、有用な区別は、(ケインズ主義とマネタリズムの統合からなる)新古典派連合(Neoclassicals)と、新オーストリア学派の区別である。この区別は、経済における公的債務の役割についてのそれぞれ異なる見解に立っている。
エスター・アレナス=アロヨ、他「オンラインメディアと思春期のメンタルヘルス危機」(2023年4月9日)
高速インターネットへのアクセスにより、15 歳から 19 歳の少女の行動および精神の健康上の問題が大幅に増加したことが示唆されています。 加えて、中毒性のあるインターネットの使用により、ティーンエイジャーが健康的な活動に費やす時間が減っています。この調査結果は、思春期のメンタルヘルスに対するオンライン メディアの影響に対処するための政策介入を求めています。