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ピーター・ターチン「人類の社会進化についてのアナーキスト的見解:デヴィッド・グレーバーさん、かなりヘンですよ」(2019年2月10日)

An Anarchist View of Human Social Evolution
February 10, 2019
by Peter Turchin

デヴィッド・グレーバーとデヴィッド・ウェングローは、最近New Humanist誌に「我々は都市居住者なのか? それとも狩猟採集民なのか? 最新の研究は、原始人間社会に関するお馴染みのお話は間違えていることを明らかにした――研究の帰結は深遠である」との長い論説を発表した。以下は、私の彼らの論文への批判的レビューだ。彼らのエッセイから、「大きな塊の文章」を引用してから、それに私がツッコミを加えるスタイルを採用している(通常私は、長々と引用しない。しかし私の見解がかなり批判的なので、パラフレーズではなくて、著者達自身の声をもって語らせることを選択した。)

グレーバーはアメリカ人の人類学者であり、アナーキストの活動家だ。私は『負債論』を含め、彼の著作を3冊読んでいる。ウェングローは、草創記エジプト史を専門にしている考古学者だ。ウェングローの著作では、“What Makes Civilization?(何が文明を作るのか?)”を含め、2冊を読んでいる。2人は、デヴィッド&デヴィッドとして「大衆インテリ」の地位を狙っている。もっとも、有名になるまでの道のりは遥か遠いのは疑いようもない。彼らの最新の論考がどんなものか見てみよう。 [Read more…]

ピーター・ターチン「集団淘汰を巡る血で血を洗う論争」(2012年3月13日)

Science Red in Tooth and Claw

March 13, 2012
by peter turchin

1980年代初頭、私がデューク大の大学院に在学していた時、ミシガン州からやってきた若い教授が集団選択について話してくれたことを覚えている。むろんその教授は、デイヴィッド・スローン・ウィルソンに他ならない。当時、集団選択という火中の栗を拾おうとしていた唯一の人物だったからだ。彼の考えは非常に理に適っていると私は思ったのだが、私以外の院生は誰も賛成していないのには驚いた。集団選択は、当時の私の研究テーマと特に近いものではなかった(昆虫の個体群行動について研究していた)が、私は集団選択をフォローし続けることになった。1980年代から90年代に私が聞いていたのが、集団選択を批判する執拗なまでのタコ殴り音だった。ジョージ・クリストファー・ウィリアムズやリチャード・ドーキンスといった著名人による著作を受けて、当時の進化生物学は、集団選択のアイデアを徹底的に否定していたのだ。 [Read more…]