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タイラー・コーエン 「著作物のムードには過去10年の経済状況が反映される?」

●Tyler Cowen, “Books Average Previous Decade of Economic Misery”(Marginal Revolution, January 9, 2014)


以下は、ベントレー(Bentley)とアチェルビ(Acerbi)、オルメロッド(Ormerod)、ランポス(Lampos)が共同で執筆した論文(”Books Average Previous Decade of Economic Misery“)の要約である。

大恐慌以降の20世紀を通じて、アメリカ経済の「経済版悲惨指数」(economic misery index)-毎年ごとのインフレ率と失業率との(絶対値の)和-の過去10年の移動平均と英語で書かれた書物をもとにして計測された「書物版悲惨指数」(‘literary misery index’)との間には強い相関が確認できることがわかった。特に、経済版悲惨指数の移動平均として過去11年の移動平均をとった場合に両者の相関は最も強くなることが判明した。この2つの悲惨指数の間の相関は書物版悲惨指数を計測するために異なるテクニックを用いた場合でも同様に確認することができ、またこの両者の間には他のどの(感情を測る)指数との間よりも強い相関が見られるのである。以上の結果が頑健かどうかをチェックするためにドイツ語で書かれた書物についても分析を行ったところ、やはり極めて似通った結果が成り立つ1 ことがわかった。我々の研究を通じて明らかになったこれら一連の発見は、毎年出版される無数の書物のムードにはそれ以前の過去10年にわたる経済状況(書物の著者も共有することになった経済上の経験)の平均が反映されること2 を示唆していると言えるだろう。

この論文はニューヨーク・タイムズ紙でも取り上げられている。また、ベントレーのHPではこの話題に関連する他の論文の情報も提供されている。なお、同じ英語でもアメリカの書物とイギリスの書物とでは感情を表す言葉の使用頻度の面で違いが見られるようになってきている(アメリカの書物においての方が感情を表す言葉が頻繁に使用されるようになってきている)ということだ。

この話題に気付くきっかけをくれたMark Thorsonに感謝。

  1. 訳注;ドイツ経済の悲惨指数の過去10年の移動平均とドイツ語の書物をもとにして計測された「書物版悲惨指数」との間にも同様に強い相関が成り立つ  []
  2. 訳注;例えば失業率の高止まりが続くなどして経済版悲惨指数(の過去10年の移動平均)が高い値を示す場合、書物の中では暗いムードを表わすような言葉が頻繁に使用されるようになるということ。 []

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