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アレックス・タバロック「将来つきたい職業の性差」(2021年10月29日)

[Alex Tabarrok, “Sex Differences in Work Aspirations,” Marginal Revolution, October 29, 2021]

Stoet & Geary がまたしても重要論文を出した

本稿では,思春期の生徒 47万3,260名を対象に,志望する仕事の性差を検討する.仕事は,モノ指向キャリア(e.g. 整備士),人指向キャリア(e.g. 看護師),STEM キャリア(e.g. 数学者)にわける.80の国・経済的地域で,学習到達度調査 (PISA) をもちいて調査した.本研究では,数学・読解・科学での生徒の到達度および親の職業・富と組み合わせて生徒のキャリア志望を分析した.どの国・地域でも,モノ指向の職業や STEM 系職業を志望する生徒は女子より男子が多く,人指向の職業を志望する生徒は男子より女子が多かった.こうした性差は,女性の地位向上の後押し(エンパワーメント)が強い国ほど大きい.直感に反するこうした発見は,富の間接的な効果によって説明される.女性の地位向上への後押しは,比較的に国の富が高水準であることと相関している.そして,この富により,より多くの生徒たちが内発的に興味を抱いている職業を志望できるようになっている.志望キャリアに見られる性差の淵源とそれに関連した政策をよりよく理解するうえで,こうした発見から得られる含意について,本稿では議論する.

(…)思春期性との職業的な関心を Miner [10] が調査してから,4世代が経過している.その間,社会・経済的には劇的な変化があったにも関わらず,中核的な性差はあまり変化していない.いまもなお,男子はブルーカラー・ホワイトカラーのモノ指向の職業に女子より強い関心を示している一方で,女子はやはり人指向の商業に男子より強い関心を示している.

(…)これまで,ステレオタイプ的なキャリアを選択する生徒を減らしたいという意向 (e.g. [49]) や技術系の職業を志望する女子生徒やそうした職業に就く女性を増やしたいという意向を [22],政策担当者たちは表明してきた.本研究の結果や関連する研究結果からは,政策に関連した難問が明らかになる[ 3, 4, 6, 50].一般論として,より発展し男女が平等な国々ほど,より確立されたモノ指向の職業(おうおうにしてブルーカラーの職業)に男子を引き寄せている一方で,そうした分野に女子を引き寄せるのには失敗している.この問題は,モノ指向の STEM 系職業の一部でも起こっている.それどころか,STEM での問題の方がいっそう深い.より発展しイノベーションがさかんで男女が平等な国々で,男子も女子も STEM への関心を低めているからだ.

以前の記事「男子の方が数学・科学に比較優位がある?」も参照.

多謝: Steve Stewart-Williams.


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