●Scott Sumner, “There’s something wrong with my car”(TheMoneyIllusion, May 21, 2019)
先週の話になるが、カーディーラーのもとを訪れてきた。買ったばかりの新車の調子がいまいちなのだ。
「高速道路で本線に合流しようと思って、制限速度いっぱいの時速65マイル(時速およそ104キロ)まで加速しようと試みたんですが、どうもうまくいかないんです。ブレーキペダルを9回ほど軽く踏んだんですが、それでもうまくいかないんです。時速65マイルまで加速しないんですよ。どこか故障してるに違いないと思うんです」。
・・・と我が愛車が抱える問題について伝えたところ、珍妙な顔をするディーラー。「ブレーキペダルを踏んだら、希望する速度まで車が加速しないのも当然です」とかなんとか口からでまかせを言い出す始末。
「Fedには、インフレ率を2%にまで引き上げる能力は備わっていない」。そんなコメントがひっきりなしに寄せられる。Fedは、インフレの抑制を狙って、2015年以来計9回にわたって政策金利を引き上げた。そして2019年現在、インフレ率は未だに2%に届かずにいる。Fedに搭載されている「インフレ加速メカニズム」のどこかにおかしなところがあるに違いない。