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タイラー・コーエン「大卒プレミアムが *ゼロ* に?」(2019年12月26日)

[Tyler Cowen, “Is the college wealth premium *zero*?” Marginal Revolution, December 26, 2019]

これはなんともびっくりだ:

大卒でない家族の所得に比べて,大卒の世帯主がいること以外は似ている家族が余計に稼ぐ所得を大卒の所得プレミアムという.この大卒プレミアムはいまもプラスではあるものの,近年の卒業生を見てみると下落が続いている.大卒の資産プレミアム(〔大卒でないこと以外は似ている人たちと比べたときの〕追加の資産)は,1940年以降に生まれたすべての世代で顕著に下がり続けている.1980年代生まれの非ヒスパニック系白人世帯主を見ると,大卒の資産プレミアムは歴史的な低水準にある.他の人種・民族集団をみると,統計的にゼロと区別がつかない[太字強調はコーエンによるもの].2016年消費者金融調査ではじめて利用できるようになった変数を用いて検討したところ,本人の親の教育水準を揃えた場合,大卒と院卒の所得・資産プレミアムは 8%~18% 下がるのがわかった.また,回答者の金融に関する見識を示すさまざまな計測値――これには生得的な部分もあるかもしれない――を揃えて比較したところ,大卒・院卒の学位が加える価値は 30%~60% 低下していることもわかった.これらを総合すると,大学・大学院の教育を金融投資として見た場合,近年の卒業生では失敗になっていることが我々の分析結果からうかがえる.本稿では,さまざまな説明を検討し,大卒資産プレミアムが低下しているのは,生まれた年による偶然・金融の自由化・高等教育のコスト増大に起因しているかもしれないという結論を示す.

上記は,William R. Emmons, Ana H. Kent, Lowell R. Ricketts による論文からの引用だ.著者たちはセントルイス連銀の所属で,どこかの(大学で教育を受けた)変人ではないよ.

Via 優秀なる Samir Varma


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