タイラー・コーエン「奨学金応募のコスト」(2022年3月25日)

[Tyler Cowen, “The cost of applying,” Marginal Revolution, March 25, 2022]

こうした奨学金の応募は骨が折れる.全米科学財団の研究助成金に応募する作業に取りかかる前に,まずは,79ページある手引き書に目をとおした方がよさそうだ.国立衛生研究所は,10パートからなる手引き動画を用意している.ローズ奨学金には,なんと8通もの推薦状が必要だ.学部4年生には,よくこう伝えている――「奨学金応募というのはね,6ヶ月間のアルバイトみたいなものだと予想しておきなさいよ.」

こうした応募作業は,たんに応募者にとって負担になっているだけではない.教授たちも,推薦状の執筆に頭を悩まされている.全米科学財団では,毎年,24万件の検討をやり遂げるためにボランティアに頼っている.大学の事務全体が,こうした奨学金にともなって生じる書類仕事をこなすために存在している.そして,大学はこれを「間接費用」のかたちで資金提供者たちに投げ返している.ハーバードでは,そうした間接費用が研究助成金で入ってくる金額の 70% にものぼっている.研究助成金を出している各種の組織・機関は,自分たちがやっている助成金にまつわるなにもかもの負担を大きくすることで,当の助成金を扱うために助成金のかなりの額を大学側に使わせているのだが,当の組織・機関はそのことを認識していないようだ.

Adam Mastroianni による文章の全文はこちら.via Anecdotal.

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