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タイラー・コーエン「KOKSは世界最高のレストラン?」

[Tyler Cowen, “Is KOKS the best restaurant in the world?” Marginal Revolution, August 17, 2016]

KOKSはフェロー語で「すばらしいものを加えること」という意味だそうだ.ただ,訳し方についてはいろいろと説明がある.ともあれ,独自性・コンセプトの純粋性・ビジョン・実行・サービス,そして構想――統合された全体としての構想――という観点で見ると,ここに匹敵するどんなレストラン経験もぼくには思いつかない.KOKS に比べて,コペンハーゲンの Noma はもはや記憶のなかで薄らいでしまっている.サンセバスチャンのミシュラン三つ星店も同様だ.KOKS はいまなおダメにならずに向上してる.この店を導いているスターは,とても若くて感じの良い Poul Andrias Ziska だ.

フェロー諸島料理を独自に仕立て上げる手腕については,『ニューヨークタイムズ』と『ガーディアン』の記事に書かれている.ただ,どちらの記事もいまでは賞味期限切れだ.ダイニングルームには20席しかない.Ziska は洋菓子シェフも兼任しているけれど,それでも質を落としていない.店のフェイスブックページをのぞけば,写真や料理の解説がみつかる.下の写真は乾燥させた鱈の皮のホンヒバリガイの薄切りのせだ:

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最近のレビューを1つ引こう:

料理スタイルは野卑でありながら洗練されており,古風でありながら現代的だ.新しい手法ではなく古い手法(乾燥・発酵・塩漬け・燻製)を強調するこの店が目指すのは,大地そのものとの調和に回帰するという大きな目標だ.KOKS では,料理で季節の味わいを重視し,農業と歴史に真剣に取り組み,古くからの食材で現代の味覚を喜ばせようとしている(…)

Poul はいまなおフェロー諸島の独自性と豊かさをひたすら楽しんでいる.土地に伝わる保存方法の ræst のファンとして,彼は香りをうまくつかまえて強めるこの技法を支持し,擁護している.

ぼくもこの評価に賛成だ:

そして最後に,(これこそ私がいままで食べたなかで最上のデザートと言うほかないのが)砕いたチョコレートをあわせた 紅藻類のダルス,ブルーベリーの燻製とダルスのムース.甘く,少し鼻をつく風味があって,口に入れると絹のような舌触りがして,天国のようにシンプルだ.今回のマラソンのご褒美は,実に特別な印象記で終わった.

あえて大胆なことを言ってしまおう:おそらく,KOKSこそ現時点で世界最高のレストランだ.この店があるだけでも,フェロー諸島に旅する価値がある.

追記:同じくフェロー諸島にある Ethika で出された刺身は,ぼくがこれまで食べた中で最上の刺身に数えられる.こちらもおすすめ.


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