●Tyler Cowen, “*Land of Promise*”(Marginal Revolution, April 19, 2012)
今回紹介するのは『Land of Promise』(「約束の地」)。著者はマイケル・リンド(Michael Lind)。副題は「アメリカ経済史」(“An Economic History of the United States”)。まだざっとしか眺めていないが、中身をほんの少しだけ引用しておこう。
1947年になるとアメリカ国内にある民間企業の研究所で働く研究員の数は1940年の時点と比べて実に倍増するまでになっていた。戦時中に手掛けられた研究に起源を持つブレークスルー(新発明、新発見)は原子力だけに限られない。ジェットエンジンにレーダー、コンピュータ、合成ゴム。そしてペニシリンや合成キニーネ(抗マラリア薬)、(抗菌薬の)サルファ剤といった一連の新薬。
ペニシリンの研究開発(R&D)や製造には米政府が大いに関与した。(イギリスの細菌学者である)アレクサンダー・フレミング(Alexander Fleming)がペニシリンには細菌を殺す性能が備わっている可能性を発見したのは1928年のことだが、ペニシリンを量産する技術が磨き上げられたのは第二次世界大戦の真っ只中。米政府が複数の大学に農務省、そして2ダース(24社)近くに及ぶ製薬会社に協力を呼びかけて一致団結してペニシリンの量産に挑んだのだ1。
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●Tyler Cowen, “Medical innovation during war”(Marginal Revolution, April 4, 2010)
海兵隊の兵士が徒歩で近辺を見回る時には止血帯(C-A-T)を太ももの付け根のあたりに緩く巻きつけておくことが多い。そうしておけば万一攻撃を受けて足(足首以下の部位)が吹き飛ばされてもバンドをきつく締めることで自力ですぐに止血できるのだ。
全文はこちらだが、興味深い事実が目白押しだ。この記事を紹介してくれたThe Browserには感謝する次第。
- 訳注;この点については本サイトで訳出されている次の記事も参照されたい。 ●マーク・ソーマ 「政府は年がら年中問題を起こしてるわけじゃない ~ペニシリンが量産されるまで~」(2018年7月18日) [↩]
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