●Mark Thoma, “Expected Loss = E[(a)(Tricks)2 + (1-a)(Leftover Candy)2]”(Economist’s View, November 01, 2007)
ハロウィンに付き物の「非対称的なリスク」は、健康に悪い。アメの在庫が尽きてしまって(出せるアメが無くて)悪戯されてしまう――あるいは、悪戯されないように居留守を使わないといけなくなる――リスク(Tricks)が一方であり、アメを用意しすぎて余ってしまって後で自分で食べないといけなくなるリスク(Leftover Candy)がもう一方である。 期待値(期待値で測ったコスト)で考えると、どちらのリスクがより厄介だろうか?(期待値は、事前の値。つまりは、余ったアメの食べ過ぎで体を壊してしまうよりも前に計算する。また、(Leftover Candy)は、余ったアメの数そのものではなく、最適な量(あなたにとって食すのにちょうどいいアメの数)からの乖離を表すとしよう [1]訳注;例えば、あなたにとって食すのにちょうどいいアメの数が10個で、ハロウィン翌日にアメが全部で30個余ったとすると、(Leftover … Continue reading。余ったアメを翌日に職場に持っていけばすぐに捌けるかもしれないが、同僚からはいい顔をされないとしよう)。私にとって、その答えは明らかだ。悪戯なんかされたくない。アメが(最適な量よりも多く)余ってしまうせいで被る損失よりも、アメの在庫が尽きてしまうせいで被る損失の方を避けたい。つまりは、後者の損失により大きなウェイトを置くのだ [2] 訳注;a >(1-a)。安全圏も広めに取っておきたいところだ。すなわち、aの値を1に限りなく近くしたい。
ハロウィンは昨夜だったわけだが、夜が深まるにつれて明らかになってきたことがある。アメを用意しすぎてしまったのだ。これはまずいと思って、あれこれと頭を捻った。アメのねだり屋一人ひとりにくれてやるアメの数を徐々に増やせばいい。しかし、在庫が尽きてしまわない程度に抑えなくちゃいけない。「これが最後のねだり屋」だってわかればいいのに。そしたら残っているアメを何の躊躇もなく全部くれてやれるのに。あっちもウハウハだろうに。そう考えていて、ふと気になることが頭をよぎった。夜が更ける(時間帯が遅くなる)につれて、ねだり屋一人ひとりにくれてやるアメの数を徐々に増やしていったら、来年以降に厄介なことになるんじゃないか。今年の経験を踏まえて、ねだり屋たちが少しでも取り分を増やそうとして、我が家にやってくる時間を年々遅らせるようになるんじゃないか。最後のねだり屋が我が家を去る時間が年々遅くなってしまうんじゃないか。ねだり屋一人ひとりにくれてやるアメの数を徐々に増やすというのは、いい案とは言えないようだ。
そして今である。「ねだり屋一人ひとりにくれてやるアメの数を徐々に増やす」という案を撤回したおかげで、スニッカーズ(チョコレートキャンディ)のファンサイズ(小型サイズ)の限界的な(もう一個の)価値はゼロ以下だ(時間が経てば、その価値も元通りになるだろうけれど) [3] … Continue reading。M&M’s(エムアンドエムズ)のピーナッツチョコレートであれば、一袋ならどうにかお腹に収まるかもしれない。