●Alex Tabarrok, “The Twelve”(Marginal Revolution, August 26, 2012)
昨日(2012年8月25日)、ニール・アームストロング(Neil Armstrong)――人類で初めて月面を歩いた男――が亡くなった。
月面を歩いた人類は、全部で12人。そのうち、アームストロング――人類で初めて月面を歩いた男――と、ピート・コンラッド(Pete Conrad)――3番目に月面を歩いた男―― 、アラン・シェパード(Alan Shepard) ――5番目に月面を歩いた男――、そして、ジェームズ・アーウィン(James Irwin)――8番目に月面を歩いた男――の4人は、もうこの世にいない。生存しているムーンウォーカーは、残りわずか8人。地球上に生きる70億人中のたった8人だけなのだ。12人のうちで一番早く生まれたのは、アラン・シェパード。1923年生まれだ。残りの11名は、あのオーヴィル・ライト(「ライト兄弟」の弟)が存命中だった1930年代に生まれている。一番年下のチャールズ・デューク(Charles Duke)も今年(2012年)で77歳を迎える。
月面を歩いた人間が地球上に誰一人としていなくなる。そんな時がやってくる日もそう遠くないのだろうか? そんな時がやってきたら、子供たちはどう思うのだろうか? 「人類が月面を歩いたって本当なの?」 そんな疑問を抱くことになるんだろうか?
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●Tyler Cowen, “The path dependence of astronaut walks”(Marginal Revolution, August 26, 2012) [1]訳注;英文で申し訳ないが、次の記事でも同様の話題が取り上げられている(「ミッシングマン」という邦題は、次の記事から拝借した)。 … Continue reading
・・・(略)・・・誰が一番最初に月面に降り立つかをめぐって、水面下では非常に激しいバトルが繰り広げられていた。当初の計画では、パイロットのオルドリン(Buzz Aldrin)が最初に月面に降り立つ予定になっていた。しかし、スミスが件の本 [2] 訳注;Andrew Smith(著)『Moondust: In Search of the Men Who Fell to Earth』 の中で紹介しているところによると、船長のアームストロングがオルドリンよりも精力的に(「自分の方が先に月面に降り立ったほうがいいのではないか」と)上層部に掛け合い、NASA(の上層部)もアームストロングの肩を持ったという。NASAがアームストロングに味方したのはなぜかというと、「地球に戻ってきた後の騒ぎ(マスコミが殺到するフィーバー)にうまく対処できるのは、アームストロングの方だろう」と判断したことに加えて、アームストロングの席の方が着陸船のドアに近かったという瑣末な事情も関係しているようだ。しかし、オルドリンも黙ってはいなかった。月面でアームストロングにカメラ(写真機)を向けないというかたちで仕返しをしたのだ。月面で撮られた数多くの写真の中で、「人類で初めて月面に降り立った男」の姿を確認できる写真は一枚しかない。その写真を撮ったのはアームストロングで、被写体はオルドリン。写真に収まったオルドリンのヘルメットに目を凝らされたい。「人類で初めて月面に降り立った男」の姿がオルドリンのヘルメットに反射して映っているのが確認できることだろう。
スティーヴン・シェイピン(Steven Shapin)が執筆している大変優れた記事からの引用だ(@MauraCunningham経由で知る)。次の箇所も個人的にお気に入り。
・・・(略)・・・アポロ計画に参加した宇宙飛行士たちの給与は、アメリカ軍の士官と同じ水準に定められた。大半のメンバーの階級は大尉(captain)扱いで、年間およそ17,000ドルの給与が支払われた(月に向かうミッションの最中は、軍人が「基地」の外で作業にあたる際に支払われる手当て(1日あたり8ドル)が支給された――ただし、宇宙船内で供与される「便宜」に係る経費がそこから(8ドルの中から)差し引かれた――)。
References
↑1 | 訳注;英文で申し訳ないが、次の記事でも同様の話題が取り上げられている(「ミッシングマン」という邦題は、次の記事から拝借した)。 ●Rebecca Rosen, “The Missing Man: There Are No Good Pictures of Neil Armstrong on the Moon”(Atlantic, August 27, 2012) |
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↑2 | 訳注;Andrew Smith(著)『Moondust: In Search of the Men Who Fell to Earth』 |