タイラー・コーエン 「『死』について考えると、行動にどんな変化が生じる?」(2005年10月11日)

●Tyler Cowen, “How do feelings of mortality change your behavior?”(Marginal Revolution, October 11, 2005)


ランドール・パーカー(Randall Parker)がスクープ(特ダネ)を報じている。パーカーが引用している記事の一部を以下でも紹介しておこう。

・・・(略)・・・「死」について考えるように仕向けられると、多くの人は自尊心を高める(セルフイメージを強化する)ような振る舞いに駆り立てられる傾向にある一方で、自らのセルフイメージに打撃を加えるおそれがない振る舞いに対して抵抗する気力が削がれる傾向にある。

例えば、スリムで健康的な体型を保つことがセルフイメージの重要な構成要素となっている人は、「死」について考えるように仕向けられても、過食に走るなんてことはない。その一方で、体型がセルフイメージの重要な構成要素となっていない人は、「死」について考えるように仕向けられると、ファッジ・サンデー〔アイスパフェの一種〕の誘惑に耐えきれなくなってしまう(過食に走りがちになってしまう)のだ。

ロビン・ハンソンの小論に触発されて、過去にこちらのエントリー〔拙訳はこちら〕で同様の話題を取り上げたことがある。あわせて参照されたい。

ちなみにだけど、鳥インフルエンザの流行だとかという危機に見舞われると、人々の間で両極端の行動が見られるようになるんじゃないかって予想してるんだけど、(上で引用した記事で述べられているように)死が身近に感じられると人は「セルフイメージの強化」に走るからっていうのがそう予想する理由の一つだ。危機に見舞われると、大半の人は、英雄のような物凄く勇ましい振る舞いをするだろうけど、反逆者/はぐれ者であることに誇りを持ってる御仁は、無頼漢のように振る舞って悪の限りを尽くそうとするだろうね。

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