本論文では,さまざまな指導方式のもとで,学生の顔面の魅力が学業面の結果〔成績〕で果たした役割を検討する.データには,スウェーデンの工学系学生から得られたものを用いた.対面での教育では,計量的でない科目で,魅力的な学生はより高い成績を得ている.計量的な科目にくらべて,計量的でない科目では,教員は学生とやりとりをする傾向がより強い.魅力的な学生がより高い成績をえることは,男性・女性の両方で見出される.COVID-19 パンデミックのさなかで授業がオンラインに移行すると,魅力的な女性学生の成績は計量的でない科目で低下した.だが,美貌プレミアムは男性学生では存続していた.このことから,成績評価の美貌プレミアムを説明するときに差別的待遇が顕著な要因となるのは女性にかぎられることがうかがえる.
上記の抜粋は,Economic Letters に新しく掲載された Adrian Mehic の論文から.via tekl.
〔※訳者の註記: 引用文の最後の箇所を見て,「え,教員の贔屓=差別的待遇でイケメン男子学生の成績評価が上がるのでないとしたら,じゃあ男子学生の美貌プレミアムはどこから来るんだよ」という疑問がとうぜん浮かぶと思う――教員の贔屓ではなく,イケメンであることが本人の自信につながって,それが人的資本形成をしやすくなるとか,そういう経路があるんじゃないかとこの研究は考えてるようだ: “beauty can be a productivity-enhancing attribute“〕