黒人アメリカ人に警官が発砲する事件が人々の耳目を集めるなか,警官と市民それぞれの人種と性別によって両者のやりとりにちがいが生じるかどうかを知るのが重要となっている.Ba et al. の研究はこれまでのデータにあった制約を克服して,ヒスパニック系警官と黒人警官は白人警官にくらべて市民を呼び止めたり逮捕したりする回数がはるかに少ないことを見出している.この差は,とくに相手が黒人市民の場合に顕著だ.こうしたちがいは,シカゴ市内の黒人が多数を占める地域でもっとも大きくなっている(the Perspective by Goff を参照).また,女性警官も男性警官にくらべて実力を行使する回数が少ない.こうした結果は,警官隊の内部がますます多様になることに効能があることを支持している.
この抜粋は,Science に掲載された Bocar A. Ba, Dean Knox, Jonathan Mummolo, & Roman Rivera の新論文から.Via Anecdotal.