●Tyler Cowen, “The economics of curling”(Marginal Revolution, February 16, 2006)
カーリングの話題をブログで取り上げてくれないかとの声が読者から多数寄せられている。カーリングは冬季オリンピックの正式種目でもあるスポーツの一つだ。
Googleにお伺いを立てる(Googleで検索する)と時として言葉には複数の意味が備わっていることを思い知らされるものだ。
ハンサムな顔立ちに広い額、きりっとした目つきにくりんと上がったまつげ、鷲(わし)鼻気味の鼻、固く閉ざされた口にがっしりとした顎。その下には「アダム・スミス(64歳)、1787年;Tassie F. 作」との文字が刻まれている。ジェームス・タッシー(James Tassie)が制作したかの有名な円形浮き彫り(メダリオン)に描かれている横顔のスミスはウィッグをかぶっているが、実はタッシーはもう一つ別のスミスの円形浮き彫りを制作している。J. M. グレイ氏が「古風なタッチ」のスミス像と呼んでいるもう一つの円形浮き彫りにはウィッグもかぶらず衣服も着用していないスミスの胸から上の横顔が描かれている。グレイ氏は「古風なタッチ」のスミス像について次のように語っている。「頭の形が丸々としていること、髪はカールしていて(curling)特に(もう一つの円形浮き彫りではウィッグで隠れている)大きな耳よりも上の側では上向きにカールしていること。この作品にはそのようなスミスの姿が描かれているという強みが備わっている」。
以上はジョン・レー(John Rae)によるアダミ・スミスの伝記(リンクはこちら)の一部を引用したものだ。さて、スポーツのカーリングに話を移すとしよう。こちらのブログでカーリングは果たして金持ちのスポーツなのかどうかという問題が取り上げられているが、どうやらそうではないようだ。「さもありなん」というのが私の率直な感想だ。だって私がカーリングに手を出さないのはお金持ちじゃないからというわけじゃないんだもの。カーリング絡みのあれこれの事実についてはウィキペディアを参照されたいが、カーリングは「氷上のチェス」とも呼ばれているようだ。カーリングは(カナダの)サスカチュワン州の州技でもあるらしい。スレート誌のこちらの記事ではカーリングを通して世界が読み解かれている。
カーリング(の大会)の経済効果はかなりの規模に上ると語るカナダの調査結果はこちら [1] 訳注;リンク切れ。おそらくこちらの調査結果を指しているものと思われる。。イベントの経済効果に関するこの種の大抵の調査結果に言えることだが、残念ながら粗便益と純便益が区別されていないし、開催地単独レベルでの便益と国全体レベルでの便益が区別されずにごっちゃにされている。さらには名目支出の増加と実体経済の活性化が同一視されてもいる。同様の欠陥を抱える他の調査結果と一緒にまとめて全部焼き払ってしまうがよい。