●Tyler Cowen, “The dangers of “early intervention””(Marginal Revolution, November 23, 2012)
「悪い子」の携帯端末にサンタからのメッセージを届けるスマートフォンのアプリは「有効でもない」し、親によって「濫用される恐れもある」。オーストラリア人の心理学者はそう警告する。
ジョン・アーヴィン(John Irvine)博士がさる水曜日にクーリエ・メイル紙(オーストラリアのブリスベンで発行されている日刊新聞)の取材に応じて語ったところによると、無料アプリの“Fake Call From Santa”や1.99ドルで買える有料アプリの“Parents Calling Santa”といったスマートフォンのアプリは子供の躾(しつけ)に使うには「有効な手段だとは言えない」という。
「そういったアプリはサンタの脅しがまるで本物であるかのように見せかけてサンタから今にも鉄槌が下されるかのように思わせる効果がありますが、そのことに乗じてクリスマスが近づくにつれてアプリを濫用する親が出てくる可能性があります」。アーヴィン博士はそう語る。さらに付け加えて次のように語る。「脅すだけ脅しておきながらその脅しを実行する気なんてさらさら無いのだとすればそのことに一体どんな意味があると言うのでしょうか? サンタの脅しにもかかわらず改心しようとしない『悪い子』にはクリスマスプレゼントはあげない。お母さんは本気でそうするつもりなんでしょうか? 口先だけの脅しには効果はありません。というのも、子供たちもその嘘(脅しは見せかけだけに過ぎないこと)にすぐに気付くようになるからです」。
無料アプリの“Fake Call from Santa”ではサンタから子供の携帯端末に宛てて着信が入り、それをとるとサンタの音声が流れるサービスが組み込まれている。その一方で、有料アプリの“Parents Calling Santa”では3通りのメッセージの中からどれか一つを選ぶ仕組みになっている。「今日も一日いい子でした」(“well done”)/「もっとうまくやれたはずだよ」(“could do better”)/「もっといい子にならなくちゃダメだよ。この調子だと今年のクリスマスプレゼントは石炭になっちゃうよ」(“must improve or you will get a lump of coal for Christmas”)という3通りのメッセージの中からいずれか一つがサンタから寄せられたメッセージというかたちをとって子供の携帯端末に向けて送信される仕様になっているのだ。
出所はこちらだ。