●Tyler Cowen, “Do people like happy endings?”(Marginal Revolution, March 3, 2006)
回答者のうち実に41%がハッピーエンドで終わる小説が好きと答えた。それに対して、悲しい結末で幕を閉じる小説が好きと答えた回答者はわずか2%。男女別で見ると、女性の方が男性よりも幸せな結末を好む傾向にあり、ハッピーエンドで終わる小説が好きと答えた女性の割合は同様に答えた男性の割合を13%近く上回っている。回答した男性のうちおよそ5人に一人は曖昧な結末の小説を好むと答えたとのことだ。
・・・(中略)・・・
世代別に見ると、悲しい結末を好む傾向が他よりも高かったのは若者。16歳以下の回答者のうち8.6%が悲しい結末で終わる小説が好きと答えている。41歳~65歳の年齢層の面々――実際に悲しい思いを味わった経験が一番多いであろう世代――は悲しい結末がお嫌いなようで、41歳~65歳の回答者のうちで悲しい結末で終わる小説が好きと答えたのはわずか1.1%に過ぎない。
さらに詳しい内容はこちらを参照。お分かりかとは思うが、幸せな挿話がちょこちょこ挟まれはするが最終的には悲劇で終わる作品(あるいは曖昧な結末の作品)の多くが私の好みだ。幸せなシーンが合間合間に挟まれるおかげで結末の悲劇が驚きを伴うことになるのだ(何もかもがうまくいくと退屈に感じてしまうというのは世のエリートの間では常識として通用しているバツの悪い事実だったりする?)。実のところ、ハッピーエンドをありがたがるそこのあなた方(無知蒙昧な大衆)は私のために働いてくれている面がある。あなた方が心地いいハッピーエンド(残飯)を好きでたまらないでいてくれるおかげで(そしてそれゆえにハッピーエンドで終わる作品が氾濫しているおかげで)、たまにそうじゃない結末の作品(ジューシーな肉料理)に出くわすと予想外のことで心底ビックリさせられもするし深い満足を味わうこともできるのだ。仮にその出来が悪かったとしても、それが小説であればそのまま速やかに本を閉じるだけだし、映画であれば即座に席を立って映画館を後にするだけの話だ。というわけで、改めて感謝しておくとしよう。そこの君、どうもありがとう。