タイラー・コーエン 「マーケットが人を狂わせる時 ~株式の利回りが芳しくないと、自動車による交通死亡事故が増える?~」(2020年1月26日)

●Tyler Cowen, “When the market drives you crazy”(Marginal Revolution, January 26, 2020)


今回紹介するのは、「マーケットが人を狂わせる時」(“When the market drives you crazy”)というタイトルの論文だ。著者は、コラド・ジュレッティ(Corrado Giuletti)&ミルコ・トニン(Mirco Tonin)&マイケル・ブラサポラス(Michael Vlassopoulos)の三人。ちなみに、副題は「株式の利回りと、自動車による交通死亡事故」。以下にアブストラクト(要旨)を引用しておこう。

株価の日々の変動は、自動車による交通死亡事故に無視できない影響を及ぼしている。本稿では、株価の日々の変動に備わるそのような重大な――重大であるにもかかわらず、看過されている――波及効果についての証拠を提示する。1990年から2015年までの期間に米国で発生した自動車による交通死亡事故のデータを用いて検証したところ、株式の利回りが平均利回りを1標準偏差分だけ下回る日には、証券取引所が開いて以降に自動車による交通死亡事故の発生件数が通常よりも0.6%だけ増える傾向にあることが見出(みいだ)された。いくつかの反証テスト(falsification test)を試みた結果に照らすと、株式の利回りが芳(かんば)しくないせいで自動車による交通死亡事故が増えるとの因果関係が成り立つと解釈してもよさそうである。さらには、株式の利回りが芳しくないために感情がかき乱されて――不安になったり、怒りが湧いたり、イライラが募ったりして――、そのことが車の運転に影響して自動車による交通死亡事故が誘発されている――とりわけ、経験の浅い投資家の間で――との仮説に整合的な結果も得られている。

近いうちに、Journal of Health Economics誌に掲載予定とのこと。情報を寄せてくれた偉大なるケヴィン・ルイスに感謝。

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