●Tyler Cowen, “Library appreciation day”(Marginal Revolution, September 8, 2007)
こちらの記事で世界中にある美しい図書館がたっぷり紹介されている。すんばらしい写真付きだ。ちなみに、上の画像に写っているのはかの有名なグラスゴー美術学校の図書館(マッキントッシュ図書館)だ [1] 訳注;2014年5月にグラスゴー美術学校で火事が発生し、その際にマッキントッシュ図書館もかなりの損傷を被ってしまったらしい。。意外にもポルトガルとかブラジルとかに美しい図書館が多いようだ。ところで、『ベルリン・天使の詩』の中に出てくるベルリンの図書館なんてどうよ?
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●Tyler Cowen, “Library apartments, the culture that was New York”(Marginal Revolution, July 8, 2016)
20世紀の初頭から半ばにかけてのことだが、ニューヨーク市にある図書館の大多数は住み込みの管理人を抱えていた。今でもあちこちのマンションでよく見かける住み込みの管理人と同じように、管理を任された建物(図書館)の中で働きつつその内部で暮らしてもいたわけである。書架で占められた空間の背後に回ると、食事が作られ、シャワーで一日の汚れが落とされ、子供を寝かしつけるために夜な夜なおとぎ話が読み聞かされている。そのような職住一体の営みが何十年にもわたって続けられていたのだ。そうそう。図書館を住まいとしていた管理人一家は閉館後に書架から自由に本を取り出すことも許されていた。ありがたいおまけだ。というのも、子供を寝かしつけるために読み聞かせる本が急遽必要になってもすぐに用意できたのだから。
ついでにもう一丁引用。
ニューヨーク・ソサエティー図書館を住まいとしたソーンベリー一家。1945年にはテレンスが生まれ、ローズ・マリーに弟ができることになる。ソーンベリー一家は(一家の主である)パトリック・ソーンベリーが管理人を辞める1967年までニューヨーク・ソサエティー図書館を住まいとすることになる。ソーンベリー一家が住まいとした空間は現在では「閉架庫」(稀覯本が納められた書架のある部屋。普段は鍵がかかっている)となっている。稀覯本を傷めないためという理由で閉架庫は今では日光から遮断されているが、ソーンベリー一家がニューヨーク・ソサエティー図書館を住まいとしていた当時は閉架庫にあたるスペースは日の光が燦々(さんさん)と降り注ぐ活気に溢れた空間だった。とは言え、ソーンベリー一家は図書館の内部にある居住空間に閉じこもっていたかというと決してそうではなかった。図書館の外にあるペントハウス並みの庭も満喫したし、閉館後には書架や広い資料室を存分に利用したのである。
全文はこちら(写真もたくさんあり)。情報を寄せてくれたTed Gioiaに感謝。
References
↑1 | 訳注;2014年5月にグラスゴー美術学校で火事が発生し、その際にマッキントッシュ図書館もかなりの損傷を被ってしまったらしい。 |
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