●Tyler Cowen, “The Nobel Laureate who is not a full professor”(Marginal Revolution, October 3, 2018)
火曜日に2018年度のノーベル物理学賞の受賞者が発表された。3名の学者による共同受賞となったが、受賞者のうちの一人がドナ・ストリックランド(Donna Strickland)氏。女性としては55年ぶりの受賞ということは既にあちこちで指摘されているところだが、BBCによるラジオインタビューによるとストリックランド氏は(カナダの)ウォータールー大学に在籍中でその肩書きは「准教授」とのこと。どうして「正教授」ではないのかとのBBCの質問に対してストリックランド氏は「正教授ポストには応募したことが無いんです」と返答している。「今から応募する予定はありますか?」とのBBCの質問に対してストリックランド氏は笑みをこぼしている。
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正教授ポストに応募するとなるとやらねばならないことがたくさんある。履歴書をまとめなきゃいけないし、research statement(研究方針に関する意見表明)やらteaching statement(教育方針に関する意見表明)やらといった書類を書いて提出しなきゃいけない。推薦状を書いてくれる相手を見つけなきゃいけない。他にもやらねばならないことはたくさんある。晴れて正教授になれたとして給料はどのくらい上がるだろうか? 多くの大学だと1500ドルくらい? 1500ドルに(ストリックランド氏の場合はカナダの)所得税率を掛けてと・・・。正教授になったら大学の運営にまつわる責任が増す可能性もある。いつかは学部長を務めなきゃならないんじゃないか。そんなプレッシャーがついて回ったりするかもしれないのだ。 [1] … Continue reading
ドナ・ストリックランド万歳!
References
↑1 | 訳注;正教授になることの損得を比較すると損が得を上回る可能性も場合によってはある(それゆえ、正教授ポストに応募しないでいることが合理的な選択となる場合もある)、ということが言いたいのであろう。 |
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