Mark Thoma, “‘The Internet and the Productivity Slump’” (Economist’s View, Sunday, April 03, 2016)
Gavyn Daviesの記事から:
インターネットと生産性スランプ: 平均的アメリカ人の年間可処分所得は42,300ドルとなっているが、彼らにまる1年のあいだ携帯電話とインターネットへのアクセスを諦めてもらうとしたら一体幾ら必要になってくるだろうか? …この問いは実はもっと親しみの有る論題と関わっている。生産性の成長が主要経済国全体に渡ってこれほどまでに減速しているのは何故なのだろうかという問いがそれだ…
Chad Syversonの計算によると、同生産性ギャップ全体を説明しようと思えば、一般市民にとって未だ計測されていないデジタル経済の価値が一年あたり8400ドル分も在るとしなければならないという。この額は一人あたりの年間実質可処分所得の5分の1にあたるのだが、つづいて彼は取り合えずは妥当であると思われる諸理由から、デジタル経済へのアクセスに自分の可処分所得の5分の1もの価値を認めている人は殆どいないだろう旨を示唆している。
確かにそうかもしれないが、では適切な額は幾らになるのだろうか?…いざ選択の場面を向かえたとき、最早時代遅れとなった十年前のテクノロジーに舞い戻ってその見返りに年あたりにして多くてまあ数千ドルを貰うことにしますかと問われても、人々にその覚悟ができているのか、私には甚だ疑問である…
この推測が妥当であるなら (そしてこれは推測の域を出るものでは無いのであるが)、要するに計測誤差仮説は何事か言うべきものをもっているという事なのだろう。とはいえ実証データの示唆するところでは、これが生産性瓦解の主因という訳ではないようである。
平均的アメリカ人の年間可処分所得は42,300ドルとなっている…と?その試算、つまり前提がヘンだと説明しなさい。後の話は無駄。