Mark Thoma, “Is Economic Success Inherited?” (Economist’s View, August 14, 2015)
以下の文章はAbdul Alasaadによるもの:
財政的成功は遺伝のおかげ?. INET: 家族の資産は子供の財政的展望に対して、どれほど決定的なのだろうか? … 彼の … 小論 『トップ1%を擁護する』 でグレゴリー・マンキューは人びとの収入と、その親の収入の間に見られる相関を遺伝的要因と結び付けた。…
この強い連関を遺伝的要因に結び付けるマンキューは、果たして正しいのだろうか? そこで、… 四人の経済学者が或るNBER (全米経済研究所) 調査報告書の中で、養子縁組を受けた子供の資産と、彼らの養子縁組上の親・生物学的な親の資産の比較を試みた。…
養子縁組を受けた子供の資産ランキングと、彼らの養子縁組上の親に関する同ランキングの間にはハッキリとした正の連関が在る。しかもそれは、親とその生物学的子供の間のそれと殆ど同じくらい強いものなのだ。…
さらに決定的なのが …、子供の資産は、生物学的な親の資産よりも、養子縁組上の親のそれと、いっそう強い相関を見せているという事実だ。資産に関するかぎり、氏より育ちの方が遥かに重要だといえよう。
しかし全体的にみたとき、44歳の時点で、一切の相続に先立って、より多く正味の資産を保有していたのはどんな人物だったのだろうか? 生物学的な子供か、それとも養子縁組を受けた子供だろうか? … 結論から言えば、確かに、生物学的子供の方がより多くの正味資産を蓄積していた。しかしその差は逼迫しており、殆ど無意味なものだ。…
並んで興味深いことに、同研究者らは、養子縁組を受けた子供・生物学的な子供の間での教育レベルの変化も調査している。もし遺伝的要因が開かれた機会より物を言うなら、裕福な親の生物学的子供は、その親が養子とした子供に比べて、より高度の教育レベルに達しているはずである。これは事実であるか? 豈図らんや、データは別様を示唆している。…
人生における大概の物事と同様、資産についてもまた、遺伝的要因よりも環境的要因の方が重要なのである。…