LARS CHRISTENSEN”I just ran a million simulations of the World Cup – Brazil won 450,000 times” (The Market Monetarist, MAY 28, 2014)
(5月29日訳者追記:ゴールドマン・サックスも似たような予測をしているのが興味深い。)
まともな経済学者の誰もが、ブラジルで開催される今度のサッカーワールドカップで勝つのはどこかについて一家言を持っているはずだ。というわけで僕ももちろん持っている。
この問題について、僕はダンスク銀行の聡明なる同僚であるJens Pedersen, Morten Thrane Helt, Stanislava Pravdova, Kristoffer Kjær Lomholtと共同で論文を書いた。
次のはその論文、「ブラジルはピッチ上での成功を目前にしているが、経済では苦戦する」からの引用だ。
ブラジル経済について励ましとなるものはあまりないものの、私たちはブラジルの人々が少なくとも今度のサッカーワールドカップでの自国チームの結果について励ますことはできると信じる。
この論文において、私たちはブラジル経済の予測だけでなく、ワールドカップの結果の予測についても述べる。私たちが過去5回のワールドカップトーナメントのデータに基づいたワールドカップ結果の計量経済モデルを推定し、そのモデルのパラメーターを用いて今度のワールドカップのシミュレーションを行ったところ、明瞭な結果が得られた [1] … Continue reading 。
私たちの見解においては、ホームアドバンテージ、大きな人口、根強いサッカーの伝統の3つがワールドカップにおけるブラジルの勝利を約束する。アルゼンチンも優勝争いに絡むが、決勝でブラジルに負けると私たちは考える。3位にはドイツが来るだろう。
しかしながらサッカーにおいては偶然も大きな要素のひとつであり、全ては確定的ではなく、それはブラジルでさえ同様である。こうした要素を記述するために私たちはモンテカルロ法 [2]訳注;乱数を用いてシミュレーションを行う手法。偶然要素を考慮するために、乱数要素を入れてシミュレーションしたという意。 と呼ばれるシミュレーションを用い、各チームがワールドカップで勝利する可能性を推計した。ブラジルは大本命で、私たちのシミュレーションでは45%の確率でトーナメントを制することが示された。この計算ではそれ以外の有力候補が優勝する可能性はブラジルよりも遥かに低く、アルゼンチンは8.1%、ドイツが7.6%、フランスが6.7%となった [3]訳注;この註釈を見た時には既に手遅れかもしれないが、表中で日本がどこにあるかは探さないほうがよい…かもしれない。 。
私たちはトーナメントでスペインは非常に残念な結果となると私たちは考えており、準々決勝でイタリアに敗退する可能性が高いと思われる。スペインが2014年ワールドカップを制覇する見込みはたった4%である。
追伸:実のところ僕がシミュレーションをやったんじゃなくて、同僚がやったんだ。
References
↑1 | 訳注;このモデルでは二国間でどちらが強いかを調べるために、得点差(たとえば2-1なら1)を従属変数とし、所得水準、人口、サッカーの伝統(ワールドカップの出場数+北米・アジア・大洋州地域というダミー変数)、FIFAランキングのそれぞれの二国間の差を独立変数とし、さらにそこに2つのダミー変数(去年のバロンドールにノミネートされた選手がいる、ホスト国である)を加えたものをOLS推計している。 |
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↑2 | 訳注;乱数を用いてシミュレーションを行う手法。偶然要素を考慮するために、乱数要素を入れてシミュレーションしたという意。 |
↑3 | 訳注;この註釈を見た時には既に手遅れかもしれないが、表中で日本がどこにあるかは探さないほうがよい…かもしれない。 |