Tyler Cowen “The tax on unrealized capital gains” Marginal Revolution, October 25, 2021
想定される計画がどのように働くと想定されているかを僕が理解できていないだけかな。含み損による税額控除はないんだよね?ということはもはや流動的な資産クラスを保有したくなくなるよね?価格が上昇していくらかの税金を払って、その後に価格が下落して損失域に入ってしまったと考えてみよう。それでも税金を払うんだよ!?還付は全くない。そもそもそうした資産を保有するのが悪くない考えとなるには、その価格が事前にどれだけ下落すればいいんだろうか、その正確な額が分かるんだろうか?それともこの税の対象になるお金持ちの投資家は市場価格を動かすような大した人たちじゃなくて、こうしたとてもリスクの高い資産クラスから単に彼らが追い出されるってこと?
含み損の税額控除を受けられる場合、この法案で税収は正確にどれくらい増えるんだろう?その場合、お金持ちはこれまで以上にリスクの高い資産を保有するようインセンティブづけられる可能性はないかな?それに債券の扱いはどうなるんだろう?なんにせよ株式って正確にはなんだろう?オプションやデリバティブのポジションも全部同じようにみなされなきゃならないの?(そうでないならものすごい裁定機会が生まれる。高い確率で損失がでる資産をいくらか保有して、そのポジションについてデリバティブでヘッジをかければいい。)
誰かがこうしたこと全部計算して答えを出したのかな?そうした計算も開かれた議論もせずにそんな税制を成立させなきゃいけないの?そんなのが「よい」民主主義といえるんだろうか?科学の党 [1]訳注;米民主党のこと なら何て言うだろうか。
何か見落としていることはあるかな?
Tyler Cowen “Further points on the tax on unrealized capital gains” Marginal Revolution, October 26, 2021
平たく言って、この提案は市場取引のない資産や成熟した事業に投資している相続資産の多い人たちを優遇して、市場取引のある成長企業の株式に投資している人たちを不利に扱っている(こうした成長企業の多くはこの後者の人たちが立ち上げ、育てたものだ)。それがこの税法の起草者が送りたいメッセージというのなら、少なくとも彼らはそのメッセージを前面に掲げ、それを擁護する良識を備えるべきだ。
アスワス・ダモダランの記事の全文はこちら。隅から隅まで素晴らしい出来だ。アラン・アウアーバッハによる遡及的キャピタルゲイン課税の提案はこちら。僕としては好きではないけど、今進められているものよりは遙かにましなアイデアだ。
References
↑1 | 訳注;米民主党のこと |
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