ハーバードでは,フルタイム職員を 7,024名雇用している.この人数は,ハーバード学部生をわずかに下回るていどだ.彼らは,どんな仕事をしているのだろう?
で,その一例:
だが,7,000名強もの人員のうち,多くの職員の主な目的は,大学業務に当てられた非課税のお金を各種のイニシアティブ・プロジェクト・委員会に無駄遣いすることのようだ.そうした委員会その他は,誰の教育経験にもほんのわずかしか価値をもたらさない.
たとえば,昨年12月に,学部長クロディーヌ・ゲイから芸術・科学学部に属する人々全員に送られたメールでは,「視覚文化・記号に関する芸術科学学部タスクフォース」による最終報告書が公表された.このタスクフォースじたい,「包摂と帰属に関する学長タスクフォース」による勧告を受けてつくられた組織だった.同タスクフォースは,24名のメンバーで構成されていた:学生6名,学部教員9名,職員9名だ.タスクフォースが作成した26ページの報告書は7つのセクションにわかれており,その内容は,聞き取り調査・フォーカスグループ調査,類型500名との15回にわたるミーティングにもとづいていた.報告書は7ページを割いて各種の勧告を記載した.その内容は,「芸術科学学部の視覚文化・記号に関する組織の権限を明確化すること」から「芸術科学学部における公共芸術のダイナミックなプログラムを創設すること」まで,多岐にわたった.こうした勧告を受けて,学部長のゲイは,新たに大学行政職の「芸術科学学部キャンパスキュレーター」と新たな委員会「視覚芸術・記号に関する芸術科学学部常任委員会」をつくることを公表した.
より包摂的な視覚文化を醸成するという目標に,読者であるあなたがどういう意見・態度をとっているにせよ,この手続きの馬鹿馬鹿しさは明白だろう.学長のタスクフォースの仕事によって芸術科学学部タスクフォースがつくられ,かなりの時間・労力・リソースを費やしたすえに,今度はたった1つの大学行政職と委員会がつくられる.しかも,その名称も2番目のタスクフォースとほぼ同じときている.ハーバードの学生の誰か一人にとってでも,教育の経験にいったいどういう新しい価値が加えられるのか,タスクフォースのメンバー以外の誰かが思い当たるなら,ぜひ教えてほしい.
この記事は最初から最後まで興味深い〔掲載誌の『ハーバード・クリムゾン』は同大学の学生新聞〕.著者は Brooks B. Andersonだ.(多謝: Anecdotal.)
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