ノースウェスタン大学のジェームス・リンドグレーン(James Lindgren)の論文より。
・・・(略)・・・総合的社会調査(GSS)のデータに照らすと、再分配政策を大いに支持する「再分配賛成派」の面々は、再分配政策に強硬に反対する「再分配反対派」の面々と比べると、過去1週間のうちに怒ったり、誰かに腹を立てたり、激高したり、悲しみに浸ったり、孤独を感じたり、憂鬱(ゆううつ)になったりしたことがあると答える確率が2~3倍ほど高かった。翻(ひるがえ)って、再分配反対派は、再分配賛成派と比べると、幸せで悠々(ゆうゆう)とした一週間を過ごせたと答える確率が2~4倍ほど高かった。再分配賛成派は、怒りがちなだけでなく、怒りが長続きしがちでもある。さらには、直近で怒ったのはいつだったかと問われると、その時に復讐を企てたと答える確率も再分配反対派の倍以上だった。最後に、再分配賛成派にしても反資本主義者(資本主義に批判的な態度の持ち主)にしても、再分配反対派と比べると、全般的な幸福度もあれやこれやに対する満足度――結婚生活への満足度、収入への満足度、仕事や家事への満足度――も低い傾向にあった。
2002年版および2004年版の総合的社会調査(GSS)のデータに照らすと、再分配反対派は、利他的な活動に積極的なようだ。政府による所得再分配政策に反対する度合いが強い強硬派ほど、慈善事業や宗教団体に寄付したり政治家に献金したりしている可能性が高いのだ。再分配賛成派がやりがちという利他的な行為がある。路上で生活するホームレスにお金をあげることだ。
他にも色んな発見が明らかにされている。例えば、全般的な傾向として言うと、差別主義者は、再分配政策に好意的だという。さらには、資本主義に批判的な態度の持ち主は、(マイノリティや非主流派集団に対する)不寛容の度合いが高い傾向にあるという。
本ブログの読者にメールで教えてもらった論文だ。そのメールの行方がわからなくなってしまって誰に教えてもらったか特定できないが、感謝する次第。
〔原文:“Sentences to make you angry (or not)”(Marginal Revolution, April 11, 2011)〕