女王の方が(王よりも)好戦的らしい。ゴードン・タロック(Gordon Tullock)が言っていた通りのようだ。
男性よりも女性が国を率いる方がより平和でいられるのだろうか? 本稿では、この問いを検証するために、15世紀から20世紀までの間にヨーロッパで起きた戦争に目を向ける。さらには、先王(先代の君主)の長子が男子かどうか/先王に妹がいるかどうかを、女王による統治の操作変数として利用する。本稿で得られた結果によると、王よりも女王に率いられた国の方が戦争の当事者になりやすいようだ。未婚の王(に率いられた国)よりも未婚の女王(に率いられた国)の方が他国から攻撃を仕掛けられやすくて、既婚の王(に率いられた国)よりも既婚の女王(に率いられた国)の方が他国に攻撃を仕掛けがちなようなのだ。なぜそうなるのかというと、分業の非対称性ゆえの可能性がある。既婚の女王は、既婚の王とは違って、配偶者(夫)を要職に就かせて国の統治を補佐してもらいがちなのだ。夫婦で協力して(分業して)国を統治するおかげで戦争を遂行する(軍事面・財政面の)能力が高まり、その結果として他国に攻撃を仕掛けがちになっている可能性があるのだ。
ドゥーベ(Oeindrila Dube)&ハリス(S. P. Haris)の共著論文のアブストラクト(要旨)より。 ワーキングペーパー版はこちら(pdf)。JPE誌(Journal of Political Economy)への掲載版はこちら [1] 訳注;ワーキングペーパー版のアブストラクトはhimaginary氏が既に訳されているので、ここではジャーナル掲載版のアブストラクトを訳しておいた。。
〔原文:“Are queens more warlike than kings?”(Marginal Revolution, November 1, 2019)〕
References
↑1 | 訳注;ワーキングペーパー版のアブストラクトはhimaginary氏が既に訳されているので、ここではジャーナル掲載版のアブストラクトを訳しておいた。 |
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