タイラー・コーエン 「誕生日と仲間意識」(2007年2月26日)

誕生日が同じだと、仲間意識が芽生えるようだ。
画像の出典:https://www.silhouette-ac.com/detail.html?id=159937

チャルディーニ(Robert Cialdini)が手掛けた実験の一つでは、被験者たちにグリゴリー・ラスプーチン(Grigori Rasputin)――ロシア皇帝であるニコライ二世の相談役も務めた怪僧――の短い伝記を読んでもらった後に、ラスプーチンについてどう思うかが尋ねられた。その伝記では、ラスプーチンのことが嘘つきで人を操るのが上手い悪党として描かれている。ただし、被験者の半数に対しては、ラスプーチンの誕生日が書き換えられたバージョンが手渡された。ラスプーチンの誕生日とそれぞれの被験者の誕生日が同じになるように書き換えておいたのだ。さて、どういう結果が得られたかというと、ラスプーチンと「同じ誕生日」の被験者たちは、ラスプーチンに対して好意的な評価を下す可能性が圧倒的に高かったという。ラスプーチンのことを欠点を補って余りある数々の長所を備えた強力で腕が立つ指導者と評価する可能性が圧倒的に高かったというのだ。

ジェイク・ハルパーン(Jake Halpern)の『Fame Junkies:The Hidden Truths Behind America’s Favorite Addiction』(『承認欲求の塊:アメリカで流行っている中毒の隠された真実』)より。ところで、チャルディーニの『Influence』(邦訳『影響力の武器』)は、私の大のお気に入りの一冊だ。未読のようなら一読してみるといい。


〔原文:“Affiliation”(Marginal Revolution, February 26, 2007)〕

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