ジョセフ・ヒース「民営化は悪、国有化は善?:左翼ポピュリストの経済政策は同じ轍を二度踏もうとしている」(2026年5月7日)

政府が民間セクターよりも良い仕事を行える分野(医療保険、インフラ、年金、教育など)に集中すれば、公共セクターへの支持は強まっていく傾向にある。こうした分野において、政府は単に財の生産に補助金を出しているだけでなく、民間セクターには生み出せない付加価値を生み出しているからだ。

カナダ政治を熱心に追っていない人向けに言うと、ナオミ・クライン〔『ブランドなんか、いらない』などで知られるカナダの代表的な左派論客〕の夫であるアビ・ルイス(Avi Lewis)がこの度、カナダ新民主党(伝統的な左翼政党)の党首に選出された。ルイスはポール・ウェルズによる長尺のインタビューを受けているのだが、インタビューでの彼の発言は私のトラップカードを何枚か発動させてしまった。とりわけ目についたのは次の2つの点だ。1点目。私は、カナダの左派はアメリカの進歩主義に認識的に囚われている、とよく嘆いてきた。ルイスのインタビューは、この私の嘆きが正当なものであることを示している。カナダ左派のこうした傾向は、私には本当に理解ができない。アメリカの進歩派は、明らかに狂っているとしか思えない敵相手の選挙にも勝つことができなかった負け犬の集まりなのだ〔なぜそんな連中のやり方を真似ようとするのだろう?〕。2点目。ルイスは1970年代の福祉国家を反動的なまでに美化している。彼は、20世紀後半の福祉国家の再編(しばしば「新自由主義」的改革と呼ばれる)が、公共セクターを様々な形で強化したという事実を認めようとしない。ルイスは「カナダ連邦政府は食料品事業にもっと深く介入すべきだ」と述べているが、この倒錯した主張には上の2つの問題点がハッキリと現れている。

だが本題に入る前に、一度立ち止まって、私がどれほど恵まれた状況にいるかということを確認しておきたい。ここカナダは、知性ある成熟した大人たちが政治の世界に入り、政府のとるべき政策について開かれた場で理性的な討議を交わそうとする国なのだ。ルイス自身の見解に対してどう思うにせよ、インタビューを聞いていれば、彼の思慮深さと明晰さに感銘を受けるはずだ。例えば、政治家がある概念的区別を行い、その区別を最後まで貫き通すのを聞けただけでも興奮ものである。インタビュー全体を通じて、カナダの民主主義の現状に安心したほどだ(とりわけ、新民主党が党首選で自党の評判を落とした後では)。

とはいえ、インタビューの内容の方について言うと、ルイスの議論はひどく間違った考えをもっともらしい言葉で擁護するものだった。「公有の食料品店」という発想はそもそも、ゾーラン・マムダニがニューヨーク市長選の選挙キャンペーンで打ち出したものだ(奇妙なことに、ルイス自身もこのことを認めていた)。その動機は、(これもルイス自身が認めていたことだが)左翼ポピュリズムのムーブメントを生み出すことだった。そのために、インフレに対する人々の怒りを進歩主義的大義への支持に結び付けようとしたのだ。人々は食料品価格の高騰に怒っている。じゃあ、それを強欲な企業のせいにしよう。それも、どんな企業でもいいわけではない。サプライチェーンの末端で消費者と直接かかわる食料品店のせいにしよう! そうすれば、政府による慈悲深い介入によって事態を改善してみせよう、と約束することができる。

この考えにはいくつか問題点がある。最も明白なのは、カナダとアメリカは異なる国であり、経済状況も異なるということだ。それだけではない。ニューヨークというのはアメリカの中でも特殊な場所であり、そこでの問題の一部はニューヨークに固有のものだ。カナダとアメリカ(そしてニューヨーク)がどう違うのかを示すために、私が撮った写真を見てほしい(個人情報を晒してしまう恐れはあるが……)。左は、ニューヨークにある近所の食料品店の値札で、右は、先週撮ったオンタリオの食料品店の値札だ [1] … Continue reading 。念のため言っておくが、左の値札はアメリカドル、右の値札はカナダドルである(現在の為替レートでは、1アメリカドルは1.35カナダドルにあたる)。

画像を見るのが面倒くさいという読者に向けて説明すると、ニューヨークの食品は目玉が飛び出るほど高い。クエーカーオーツの価格はオンタリオの2倍、オレオの価格は3倍、ピルズベリーのパイ生地は4倍である。これはリンゴとオレンジを比べるようなものだ、と言う読者もいるかもしれない。私はマンハッタンにあるモートン・ウィリアムズ(ショップライトが所有する高級志向のチェーン)と、オンタリオの小さな町のノーフリルズ(ロブローが所有するディスカウントチェーン)とを比べているのだから。トロントのダウンタウンのロブローに行けば、オレオの価格は〔オンタリオのノーフリルズよりも)もっと高くなっているだろう。だが、ルイスはトロント市長選に出ているのではなく、カナダの首相を目指している。そして、全国規模で食品流通のハブと小売店舗のシステムを作ることを提案しているのだ。この提案を受け入れるなら、連邦政府はカナダ中のディスカウントストアや大型小売店と直接競争することになるだろう。ノーフリルズやスーパーストア、マキシだけではない。ウォルマート、フレッシュコ、フードベーシックス、コストコも競争相手となるのだ。

マムダニの提案の問題は、その根底にある経済的ロジックが、たった1つの問いを投げかけるだけで崩壊してしまうということだ。「その公有食料品店の労働者は労働組合に加入するだろうか」と問うだけでいい。マムダニは進歩派として、イエスと答えざるを得ない。すると、公有食料品店における運営費用は、民間の食料品店よりも高くなることが明らかとなる。そして、ニューヨークの民間の食料品店は既に利益率が極めて低い(1~2%)から、公有化によってコストが節約され、それが消費者に恩恵をもたらすなどということはあり得ないだろう。

この点に関しては、ルイスを評価してもよいかもしれない。ルイスは、自身のプランの下で労働者は全員、労働組合に加入するだろうと述べているのだが、その上で、食料品価格を下げるために、連邦政府が年間2億9000万から3億ドル規模の補助金を直接投入する、と言っているからだ(彼は、この補助金の大盤振る舞いの受益者となる労働組合を実名で挙げてすらいる)。ニューヨーク市長であるマムダニと違い、ルイスは国政政党の政治家なので、補助金支出を約束しやすい立場にある。しかしながら、ルイスは続けて、国有化により30~45%もの大幅なコスト削減が実現できる、と主張してしまう。彼曰く、全国規模の調達プログラム、卸売の配送ハブ、扱う商品を絞った小売チェーンによって、コストが削減できるというのだ。「サラダドレッシングの売り場で179もの選択肢が必要とは思えない。6種類、12種類、あるいは20種類もあれば十分すぎるだろう」と彼は言っている。

残念ながら、ルイスが思い描いているのは新しい小売のあり方などではなく、単なるコストコのビジネスモデルだ(ルイスにはぜひ、コストコのドレッシング売り場で売られている商品の数を数えてみるよう勧めたい)。コストコは巧みな経営で知られる伝説的な企業である。カナダ連邦政府がコストコに商品価格で競り勝てるなどというのは浮世離れした考えだ。オンタリオに長く住んでいる人なら、20年ほど前、ウォルマートがこの地域にサムズクラブの店舗を展開し始めたときのことを覚えているかもしれない。当時、人々はサムズクラブの拡大に不安を覚えていた。だが、サムズクラブの店舗は全て、数年後には潰れてしまった。コストコに競り勝てなかったからだ。ウォルマートが失敗した市場でカナダ政府が価格引き下げに成功できるなどというのはバカげた考えである。

ルイスはこの反論に取り合おうとせず、カナダの食料品市場には競争が生じていない、と主張している。実際、彼はこの文脈で「独占」という言葉を幾度か使っている。経済に関して現実に根差した知識を持つ者なら、この主張が事実に反するということを知っているはずだ [2] … Continue reading 。そして、言葉の意味を気にかける人なら、複数のフランチャイズ子会社を持つ5つの大企業が市場シェアを巡りしのぎを削る市場を「独占」と呼んでいることに不愉快さを覚えるだろう(競争がないなら、なぜ各社はわざわざチラシを配っているのだろう? 私の近所のノーフリルズがパイ生地を1ドルで売っているのは、価格競争のせいではなく、単なる気まぐれによるものというのだろうか? こんな主張はバカバカしいにもほどがある。公営食料品店ならもっと低い価格で商品を売れる、という主張に比べれば、ほんの少しはマシかもしれないが)。

マムダニに比べれば、ルイスの議論はいくらか現実的だ。小売のレベルでは大したコスト削減が見込めないので、食料品価格を下げるためにはサプライチェーンの上流に踏み込む必要がある、ときちんと認めているからである。これは検討に値する考えだ。そう言えばカナダの農業セクターでは、供給業者たちがずぶずぶのカルテル状態にあり、それが食料品価格を押し上げているのではなかっただろうか。おぼろげな記憶だが、酪農業界にはそうしたカルテルがあると聞いたことがある気がする。確か、酪農家たちの間では供給管理システムが敷かれており、割当制によって生産が抑制されているらしい。このシステムは当初、小規模農家を助けるために採用されたものだったが、時が経つにつれ、工場式農業を行う大規模農家が割当枠を買い取っていき、産業の集中化が進んだという。ルイスが、食料品価格を引き下げるために民間セクターでの競争を促進したいと本気で思っているなら、この件について誰かに調べさせるべきだろう。もちろんこれは冗談だ。ルイスにはぜひ、供給管理システムに言及してもらいたいものである。「触れられるものなら触れてみろ」と煽りたいほどだ [3] … Continue reading

またルイスは、この計画を実行するのに必要な補助金は年間で3億ドル程度だろうと見積もっている。カナダ政府が既に北部地域の食料供給に1億6300万ドルの補助金を出していることを考えれば、これは楽観的な想定だろう。この北部栄養補助プログラム(Nutrition North Canada)により、ベーチョコ〔先住民居住地区〕のノーザンストアでは、本来なら恐らく20ドル近くするハンバーガー用バンズ1袋が14ドルで買えるようになっている。ルイスはこのプログラムを自身のプランに組み入れるのかについて明言していないが、北部のごく限られた地域を対象にした補助金で1億6300万ドルかかるなら、そのわずか2倍の費用で全国に食料補助を拡大できるとは考えにくい。そして、同時に注目すべきは、連邦政府は北部の食料品セクターで巨額の支出を行っている一方、食料品の配送や小売店の運営には携わっていないということだ。政府は民間業者と契約し(さあ、どこでしょう?)、補助金の価値が十分に消費者に還元されるよう監視しているのだ。

ここで、2つ目の大問題に話を移そう。ルイスは、1970年代(ルイス自身の言葉で言えば「福祉国家の黄金時代」)に時を戻したいという、ジェレミー・コービンと同じような欲望を持っている。70年代当時を振り返ると、国有企業は既に競争市場が成立していたセクターにも当たり前のように参入していた。そのため、公有企業が民間企業と直接競争することとなった。例えば、かつてのカナダ政府は(連邦レベルでも州レベルでも)輸送セクターに深く介入していた。具体的に言うと、航空会社、鉄道、都市間バスなど、民間の競合企業が存在するセクターに国有企業が参入していたのだ。ルイスは食料品店に関して、こうしたモデルへと回帰することを夢想している。そのため、ルイスの提案を吟味する1つのやり方は、なぜ20世紀後半にこのモデルが放棄されたのか(それも、カナダだけでなく、フランス、イギリス、ドイツ、スウェーデンなどでも放棄されたのか)を検討することだ。

例えば、エア・カナダ [4]訳注:カナダにおける代表的な航空会社で、当初は国有企業として設立されたが、後に民営化された。日本におけるJALに近い。 の歴史を考えてみよう(C・D・ハウが指揮していた設立当初の時期にはトランス・カナダ航空と呼ばれていた)。エア・カナダは1989年に民営化された。そもそも、カナダ政府が航空会社を所有し運営することを支持する論拠は2つあった。1つ目は、公有会社ならば非営利なので低価格でサービスを提供できる、というおなじみの主張だ。2つ目は、公有会社が航空事業を行うことで、国民統合が促進される、というものだ。というのも、航空路線間で内部補助を行えば〔つまり、儲かる路線の黒字分で、儲からない路線の赤字分を補填すれば〕、遠隔地や人口の少ない地域にも低運賃で行けるようになるからだ(これは「社会的航空路線(social routes)」と呼ばれ、エア・カナダはそうした路線の多くを運航していた)。

1つ目の論拠は、公共経営の現実の前に崩れ去ることとなった。エア・カナダは、民間の競合企業よりも低価格でサービスを提供できなかったばかりか、莫大な損失を生み出すようになったのである。社会主義経済学を学んだ者にはおなじみだが、これは「ソフトな予算制約」に置かれた組織の典型的な姿だ。加えて、最初から予想できたことだが、政治家が経営判断に口を挟める体制であったことも、余計なコストを増やした。例えば、エア・カナダの経営者は飛行機の整備施設を1つの都市に集約させようと目論んでいたが、当時の内閣はその案を却下した。この案を通せば複数の地域で失業が生じるため、それを避けようとしたのだ。結果、エア・カナダは無駄な整備施設を抱えざるを得なくなり、民間に比べ高コストになったのである。

経営者の説明責任を向上させるため、エア・カナダは1976年、そして1978年に再編され、〔政府の直接的な統制から離れた〕独立法人の国有企業となった。この再編の一環として、エア・カナダは、「社会的航空路線」に対して行っている内部補助をきちんと計上するよう促された。〔社会的航空路線を維持するという政策目的のための〕正統なコスト超過と、〔経営上の非効率性などによる〕正統でないコスト超過とを区別するためだ。しかしこれは、航空会社の公有を支持する2つ目の論拠を掘り崩すこととなった。というのも、カナダ政府は実質的に、採算のとれない社会的航空路線を維持するために、自らの所有する国有企業に補助金を支払っているだけであるということが明らかになったからだ。そのため、政府はすぐに、社会的航空路線を維持するという政策目的を達成する上で、航空会社を国有・国営にする必要はない、ということに気がついた。単純に、民間企業に補助金を支払えばよかったのである。その方が低運賃でサービスを提供できる可能性すらある。

こうして1980年代以降、政府は競争が阻害されていない市場から撤退し、市場の失敗が真に存在するセクターに力を集中させるようになった。これはたくさんの有益な効果をもたらした。その1つは、危険なほど制御不能になりつつあった国家財政を安定させたことだ。同時にそれは、公共セクターが民間企業と真正面から競争する場面を大幅に減らした。結果、政府サービスに対する国民の印象は改善されるようになった。消費者が、公共サービスでの経験と、現代の小売環境での経験とを比べれば(例えば、どれくらい長い列に並ばされたか、従業員は礼儀正しかったか、自分の時間をきちんと尊重してくれたか)、公共セクターはたいてい不利になる。そしてこれが、政府への敵対心を育むのだ(例えば、人々がかつてどれほどエア・カナダを嫌っていたかというのは、今では説明することすら難しい。〔エア・カナダは今でも評判が良くないが〕当時は今よりもいっそう酷かったのである。幸いなことに、フライトが遅れるたびに政府を罵る人はもういなくなった)。

一方で、政府が民間セクターよりも良い仕事を行える分野(医療保険、インフラ、年金、教育など)に集中すれば、公共セクターへの支持は強まっていく傾向にある。こうした分野において、政府は単に財の生産に補助金を出しているだけでなく、民間セクターには生み出せない付加価値を生み出しているからだ。これに対して、ルイスが提案しているのは、民間セクターよりもひどい仕事しかできないことが確実な分野に政府を携わらせて、政府を失敗に追い込むことだ。社会主義の真の友なら、こんな計画を支持すべきではない。

将来に目を向けて、新民主党が奇跡的に政権をとったと想定してみよう。人々がインフレに怒り続けている状況で、連邦政府は、官僚たちの反対も押し切り、全国規模の食品調達・配送・小売システムを構築できることになったとする。その後、どんなことが起こるだろう? まず確実に言えるのは、コストは全くもって削減できないということだ。新民主党の政治家たちの誰一人として、農家や労働者といった自党の支持基盤に負担を求める気などないだろうからである〔よって、サプライチェーンの上流でコスト削減を行うことはできない〕。そのため、このプランが実際に食料品価格を下げられるとしたら、それは完全に政府補助金のおかげだ。だが、補助金を出すとなると、当然ながら所得制限を設けて受益者を絞ろうという話になるはずだ(さもなくば、政府は国民に税を課して、その税金をそのまま食料品への補助金に回しているだけになる) [5] … Continue reading 。しかしそうなると、すぐに誰かがこう指摘するはずだ。同じ額の補助金を出すにしても、間接費の高い公有の食料品店ではなく、間接費の低い民間の食料品店に与えた方が、食料品価格を下げられるのではないか、と。結局のところ、補助金を出すそもそもの目的はなんなのか? それは、国民の食費を下げることなのか、それとも食料品店の労働者の賃金に補助を出すことなのか。国民の食費を下げることが目的なら、北部栄養補助プログラムと同じように、民間の小売業者に補助金を出して食品の価格を引き下げさせる方がよほど理に適っている。だとすれば、食料品店を公有化することにはなんの意味があるのだろうか? [6] … Continue reading

言い換えると、ルイスが提案しているのは、20世紀後半の新自由主義改革(民営化を含む)をもたらした状況を、もう一度作り出すということなのだ。私が思うに、もっと良い選択肢は、歴史から学ぶことだろう。たとえそれによって、私たちの親世代が持っていたような、企業の公有化に関するロマンチックな考えのいくつかを捨てなければならなくなるとしても[7] … Continue reading

[Joseph Heath, Naomi Klein’s husband doubles down on public grocery stores, In Due Course, 2026/5/7.]

References

References
1 原注:ニューヨークで何をしてたかだって? まぁとりあえず、私はルイスと同じで、自分よりずっと稼ぎが高い女性と結婚している、とだけ言っておこう〔訳注:ヒースの妻は外科医をしており、その勤め先の関係でニューヨークにも生活拠点を持っているようである。〕。この記事のタイトル〔原題は「ナオミ・クラインの夫は公有食料品店構想を強く押し出している(Naomi Klein’s husband doubles down on public grocery stores)」〕は、同じベータ配偶者〔妻より収入が低い夫〕仲間からのちょっとしたからかいと思ってもらえればと思う。
2 原注:カナダの左派は、食料品価格の高騰は企業の不正行為によるものだ(いわゆる「グリードフレーション」)と人々に信じ込ませることに、アメリカの進歩派よりも成功してきた。その理由の1つは、2018年にカナダの製パン業者による談合が発覚したからだ。大手製パン会社2社が共謀し、主要な小売業者5社を巻き込んで価格を調整していたのである。だが、これらの企業が摘発・訴追され、金銭面でも評判面でもダメージを食らったという事実は、他の分野において同様の談合が現在行われているという推定を弱める方向に働くはずだ。
3 訳注:ここでヒースは、カナダの酪農業界の供給管理システム(実質的な公認カルテル)が食料品価格高騰の要因の1つであると指摘した上で、新民主党は農家を主要な支持基盤としているため、ルイスはこの事実に言及できないだろう、と煽っている。
4 訳注:カナダにおける代表的な航空会社で、当初は国有企業として設立されたが、後に民営化された。日本におけるJALに近い。
5 訳注:ここでヒースは次のようなことを言っていると思われる。所得制限を設けない場合、政府は国民自身の税金を使ってその国民自身の食料品代を補助しているだけとなり、政策としての意義がなくなる。所得制限を設ければ、生活の苦しい層の食費に対する的を絞った補助となるため、政策としての意義が生じる。
6 訳注:つまり、食料品店の労働者の賃金支援が目的でない限り、食料品店の公有化というのは筋が通らない、ということ。言い換えれば、食料品価格を下げるために食料品店を公有化するというのは理に適っていない、ということ。
7 原注:20世紀後半の福祉国家の再編について、私は学術的な仕事の中でたくさんの議論を行ってきた。このテーマに関してより深く理解したいと考えている読者には、次の論文を勧めたい。
“Stakeholder Theory, Corporate Governance and Public Management”
“Public-Sector Management is Complicated”
“Anodyne Privatization”
“Reasonableness as a Quality of Good Government”
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