韓国に旅行に行ってきて、戻ってきたばかりだ。次の旅行に備えて、上着をクリーニング屋に持っていくことにしたのだが、ポケットを裏返したら大量のウォン（韓国の通貨）が出てきた。ウォンをドルに交換するためには、だいぶ費用がかかる。そこで、お土産としてこのまま持っておくことに決めた。
問い：「大量のウォンをドルに交換せずにとっておく」という私の決定は、韓国経済にいかなる影響を及ぼすか？ 有名な経済学者になったつもりで答えよ。スコット・サムナーならどう答えるだろうか？（あまりに明白だ！） ケインズならどう答えるだろうか？ クルーグマンなら？ コーエンなら？ プレスコットなら？
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アレックス・タバロックが次のように述べている。
韓国に旅行に行ってきて、戻ってきたばかりだ。次の旅行に備えて、上着をクリーニング屋に持っていくことにしたのだが、ポケットを裏返したら大量のウォン（韓国の通貨）が出てきた。ウォンをドルに交換するためには、だいぶ費用がかかる。そこで、お土産としてこのまま持っておくことに決めた。
問い：「大量のウォンをドルに交換せずにとっておく」という私の決定は、韓国経済にいかなる影響を及ぼすか？ 有名な経済学者になったつもりで答えよ。スコット・サムナーならどう答えるだろうか？（あまりに明白だ！） ケインズならどう答えるだろうか？ クルーグマンなら？ コーエンなら？ プレスコットなら？
韓国の中央銀行は、いくつかのマクロ変数――金利とか、インフレ率とか、為替レートとか――が目標値から外れないように金融政策を運営すると想定するなら、ウォンを退蔵する（手元にとっておく）というタバロックの決定は、韓国の名目GDPに何の影響も及ぼさないだろう。現金への需要が高まったのなら、それに応じて現金の供給が増やされるだけだからだ。海外でのドルへの需要が高まったら、それに応じて（Fedによって）ドルの供給が増やされるのと同じように。
10年後だか20年後だかにタバロックの手元にあるウォンが韓国に返却されたとしたら、それは韓国人に無利子で貸付をしているようなものだ。何世代にもわたって相続されているうちに行方が分からなくなったり、新しい通貨に切り替わったせいで使えなくなったりするようなら、ウォンを手元にとっておくというタバロックの決定は、韓国人に贈り物をしているのと変わらないだろう。
他の4人の経済学者も同じように答えるんじゃなかろうかと考えたいところだ。他にもっともらしい答えは思い付かないし。何か見逃してしまっているかもしれないけれど。
〔原文：“A Macro Homework Question: Answer in the Style of…”（Marginal Revolution, October 22, 2012）／“Am I really that predictable?”（TheMoneyIllusion, October 22, 2012）〕
