タイラー・コーエン 「ホワイトハウスの技術史」(2017年6月30日)

アメリカで第一号の空調システム(エアコン)は、第20代大統領であるジェームズ・ガーフィールドの命を救うために、海軍の技師たちによって必死の思いで作り上げられた。
画像の出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/22236353

現代的なセントラルヒーティング(暖房システムの一種)がホワイトハウスに設置されたのは、ハリー・S・トルーマン(Harry S. Truman)が大統領になってからようやくのことだった。その一方で、エアコン(空調システム)は、アメリカで一番最初にホワイトハウスに持ち込まれた。

アメリカで第一号の空調システムを拵(こしら)えたのは、海軍の技師たちだった。第20代大統領であるジェームズ・ガーフィールド(James Garfield)の命を救うために、必死の思いで作り上げられたのだ。ガーフィールドが暗殺者によって駅で銃撃されたのは、1881年7月2日。ワシントンの暑さと湿気から逃れて、夏の休暇をとろうとしていた矢先のことだった。キャンディス・ミラード(Candice Millard)が『Destiny of the Republic:A Tale of Madness, Medicine and the Murder of a President』で、ファン付きの奇妙な装置について詳述している。冷水に浸したチーズクロス越しにファンを回して、ガーフィールドがいる寝室までパイプをつないで冷風を送ったのだ。そのおかげで、室内の温度を華氏80度くらい(およそ27℃)にまで下げることができた。しかしながら、ガーフィールドは結局(銃撃されてから11週間後の9月19日に)亡くなった。

もう一丁、引用しておこう。

ホワイトハウスに電気が通ったのは、1891年。当時の大統領だったベンジャミン・ハリソン(Benjamin Harrison)は、感電するのを恐れて、それぞれの部屋に流れる電流の大きさをコントロールするスイッチに触れるのを拒んだ。そのため、電気と一緒にガス灯もしばらく使われたのだった。

こちらの記事より。執筆者は、ジリアン・ブロッケル(Gillian Brockell)。はじめから終わりまで興味深い話題が目白押しだ。


〔原文:“A technological history of the White House”(Marginal Revolution, June 30, 2017)〕

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