・・・(略)・・・求職者が直面している問題の質が(インターネットなどの)新しいテクノロジーによって変わったというのが私の主張である。1970年代であれば、そもそもどこに働き口があるかを見つけなければいけなかったが、今ではそうじゃなくなっている。今やあまりにも大勢が求人に申し込むので、数多(あまた)ある履歴書の中から自分の履歴書にいかにして目を向けてもらうかが求職者にとって主要な問題となっているのだ。あなたがホワイトカラーの仕事を探していて、自分の履歴書に目を向けてもらおうとするなら、(「友人の友人」、「知人の知人」といった)弱い紐帯よりも、(前の職場の上司や同僚、取引先の相手といった過去に一緒に仕事をしたことがある)職場を介した結びつきの方がずっと役に立つのだ。あなたがどんな働き手であるかを語れる人たちの方がずっと役に立つのだ(私が調査したサンプルのうち、転職する上で職場を介した結びつきに助けられたのは61%、弱い紐帯に助けられたのは17%という結果になっている)。ただし、(弱い紐帯の強さを説いた)グラノヴェッター(Mark Granovetter)の研究は間違っていると言いたいわけではない。グラノヴェッターの研究は、過去のある瞬間を的確に切り取ったスナップショットのようなものと言いたいのだ。
イラナ・ガーション(Ilana Gershon)の『Down and Out in the New Economy:How People Find (or Don’t Find) Work Today』(『ニューエコノミーにおける一文無し:我々は今、いかにして仕事を見つけている(見つけられないでいる)か』)より引用。かなりの良書で、驚くほど濃い内容の一冊だ [1]訳注;イラナ・ガーション本人がハーバード・ビジネス・レビューに寄稿している次の記事も併せて参照されたい。 ●イラナ・ガーション … Continue reading。
〔原文:“Are weak ties less important for job-seeking?”(Marginal Revolution, April 5, 2017)〕
References
↑1 | 訳注;イラナ・ガーション本人がハーバード・ビジネス・レビューに寄稿している次の記事も併せて参照されたい。 ●イラナ・ガーション 「『友人の友人』に頼るやり方は最善の求職方法ではなくなった」(ハーバード・ビジネス・レビュー, 2017年7月27日) |
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